オリンピックの「時」の王者、オメガ

公式タイムを掲示する掲示板は絶対だ

1932年のロサンゼルスオリンピックで全種目の公式時計を担当したオメガが、今年北京オリンピックでも活躍している。

このコンテンツは 2008/08/13 15:26

76年前、30個のクロノグラフを使ったオメガは、今日コンピューターなど、高度な技術を駆使し、タイム、順位、得点などを広範囲にカバーする。北京で、アテネ大会より向上したものには、1秒間に2000枚撮影できるハイスピード・カメラや、スタートのやり直しを告げるシステムなどがある。

1秒間にオールを漕 ( こ ) いだ回数も分かる

「北京でのオメガ ( Omega ) の役割は、第一に選手の競技記録を正確に行い、タイム、ランク、得点などをすべての関係者に伝えることだ」
と、オメガの子会社「スイスタイミング ( Swiss Timing ) 」の最高経営責任者 ( CEO ) 、クリストフ・ベルトー氏は語った。ここでいうすべての関係者とは、得点掲示板を見る競技者、審判、観衆や新聞記者、テレビ、インターネットでの情報関係者などを指す。

スイスタイミングは、北京に420トンの機材を運び込み、450人の技術者と1000人のボランティアの協力者をコーディネイトしている。
「もちろん、コンピューターをかなり使い、競技結果のみならず、競技中の測定に力を入れている。以前より、進行中の競技をさらに正確に測れるようになっている」
とベルトー氏。

例えば、ボート競技ではGPS を利用した技術を使っている。
「1秒間に5回、各ボートの位置を測定することで、湖上の競技者を絶えず確認し、さらにボートの加速度や1秒間にオールを漕いだ回数も分かる。各ボート間の距離もこれで測定できる」
とベルトー氏は説明する。

マラソンランナーの靴紐に、電子の名札

今回のもう1つの画期的な発明品に、1秒間に2000枚撮影できるハイスピード・カメラがある。これは1992年のアルベールビル冬季オリンピックに初めて導入されたカメラ「スキャン・オー・ビジョン ( Scan-O-Vision ) 」をさらに改良したもので、ピクセル数も増やし、映像の精度はきわめて高い。これで、審判はゴールにせめぎ合いながら入る選手を正確に測定できるという。

スイス人にとって、24日のマラソンは見逃せないものだ。メダル獲得が期待されているスイス人、ビクトール・ロスリン選手が走るからだ。この日、天安門広場から「鳥の巣」スタジアムまでのコースの記録の収録を、スイスタイミングは周到に準備している。

5キロメートルごとに記録収録が行われ、コースの半分の地点でのランキングとランナー間の距離が報告される。
「このため、コースの道に何本かのアンテナを立て、またランナーの靴の紐に電子の、ランナーを識別できる名札を付けた。これをコンピューターでデータ化することで、競技中の様子がすべて分かる」
とベルトー氏は自信を持っている。

水泳では、オメガは特にテレビ関係へのサービスを充実させている。例えば、競技中に画面に世界記録の数字を出し、目の前の選手のスピードと比較ができるようにし、また各コースを泳ぐ選手の名前と国旗が同時に出るような工夫もしている。

結果に自信

1932年のロサンゼルスオリンピックで全種目の公式時計を担当したオメガは、丹精込めて作り上げた精密なクロノグラフ30個を持ち込んだ。1936年ベルリンの夏のオリンピックには、オメガの29歳の若い時計職人、ポール・ルイ・ギニャール氏自らが、185個のクロノグラフをスーツケースに詰めて、ベルリンまで運んだ。ランナー自身が小さなシャベルで自分のスタート地点を作っていた時代だ。

それからおよそ70年の年月が流れた。しかしいつの時代でも、競技者のプレッシャーは理解しても、正確なタイムを保証するために、競技者の裏で働くタイム技術者のプレッシャーを知る人は少ない。

「北京には、2005年の1月からスイスのサポートを受けながら働くチームを常置した。集中して準備を整え、タイム記録、得点、順位、そしてその配信システムに関わるすべての機能を何度もテストした」
とベルトー氏は言う。そして、
「我が社のスタッフはプロだ。全員がスポーツに対して情熱を持ち、出す結果に自信を持っている」
と結んだ。

swissinfo、ロバート・ブルックス 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 訳

スイスタイミング ( Swiss Timing )

スウォッチ・グループの1員でもあるスイスタイミング は、1972年7月3日に創設された。それ以前にオメガ ( Omega ) とロンジン ( Longines ) は、スポーツのタイム記録部門に進出していた。現在はオメガの子会社である。

本社はジュラ州のコルジェモン ( Corgémont ) にあり、従業員数70人。

1996年のアトランタオリンピック、2000年のシドニーオリンピック、2004年のアテネオリンピック、2006年トリノ冬季オリンピックなどで公式時計の担当を行い、
今後2010年のバンクーバー冬季オリンピック、2012年のロンドンオリンピックでもオメガの子会社として公式時計の担当をする。

北京オリンピックで23回目の公式時計を担当したことになる。

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