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コロナで大打撃の文化部門、財政支援強化 スイス政府

文化施設
劇場、映画館、コンサートホールなどの文化施設は、新型コロナウイルス危機に伴う制限措置で大きな打撃を受けた Keystone/Gian Ehrenzeller

スイス連邦内閣は31日、新型コロナウイルス危機で深刻な影響を受けた文化セクターに対し、追加の財政援助を行うと発表した。1日から施行する。

今回の決定では新たに、頻繁に依頼主が変わる有期契約労働の個人事業主も対象とする。昨年11月にさかのぼり収入損失分が補填(ほてん)される。過去の財政支援を合わせると、部分的ロックダウン(都市封鎖)が始まった昨年3月以降の損失分が切れ目なく補償されることになる。

アラン・ベルセ内務大臣は31日の記者会見で「新型コロナウイルスに伴う制限措置は、(措置が始まった)最初の時期から文化部門に深刻な打撃を与えた」と語った。

緊急支援を受けるための資産条件も緩和された。

国内の文化セクターには企業約6万3千社、労働者は約30万人いる。

スイス政府はこれまで、コロナのパンデミック(世界的大流行)に伴う文化部門の収益損失を補填する措置として4億1千万フラン(約480億円)を拠出。州も財政支援を行っている。

プロスポーツクラブへの財政支援も拡充

またシーズン中止でチケット収入が見込めないプロスポーツクラブへの財政支援策についても、選手への給与削減に関する条件を一部緩和し、支援範囲を拡充した。

政府はさらに、ワクチン接種キャンペーンの事業費として26億フランを追加で拠出する方針を閣議決定した。

また病院、高齢者施設、コロナ検査センターなどを対象とした市民防衛団(兵役につけない人が代わりに行う奉仕活動)の派遣支援を、6月末まで延長した。

連邦国防省によると、過去数カ月間で、毎週最大1500人が支援に当たった。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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