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ジュネーブ国際ブックフェア

ジュネーブ国際ブックフェア、「サロン・ド・リブレSalon du Livre」がPalexpo Exhibition Centerで5月7日まで開かれている。今年の名誉招待国・地域は、ドイツとスイス・ユラ州だ。

ジュネーブ国際ブックフェア、「サロン・ド・リブレSalon du Livre」がPalexpo Exhibition Centerで5月7日まで開かれている。今年の名誉招待国・地域は、ドイツとスイス・ユラ州だ。

今年のメインイベントは、フランスのアントニー・サン=エキュペリー生誕100年祭、1999年スイス・ベスト報道写真展、アルファベットの歴史、ヘブライ文字アート、統計科学だ。他にコンテンポラリーアート、教育、マルチメディア、音楽など多様な特別展が開かれている。国際ブックフェアには例年約12万人が訪れるが、それにしても展示が多すぎるというのが、実は批判の一つだ。これに対し、フェアのジェラール・ガイガー・スポークスマンは「全展示を見る必要はない。興味のあるところだけ見ればよい。それがサロン・ド・リブレだ。フェアが毎年好評なのは、皆娯楽として訪れるからだ。人々にこれを読め、これは読むなというためのフェアではない。人々を読書の楽しさへ招待するのがフェアの目的だ。」と語る。また、教育、マルチメデイァ、アートの特別展は、新しい文化の表現方法として取り上げられた。

今年の名誉招待国(地域)はドイツとユラ州だ。近代印刷の父ヨハネス・グーテンベルグ生誕の地ドイツは、毎年新刊本出版数が中国に次いで世界2位だ。ガイガー・スポークスマンは、ドイツの出版業界における重要性とともにフェア招待の意義について「スイス国民の3分の2はドイツ語圏に住んでいる。ジュネーブ(仏語圏)はブックフェアがドイツ語圏スイス国民のためのものでもあるという強いシグナルを送っているのだ。」と言う。

もう1つの招待地域ユラ州は、スイスで1番新しい州だが独自の文化史を持つ。他の仏語圏主要都市から離れた小さな州のミヒャエル・ハウザー文化遺産部長は、この機会に州の特徴と高い文化をアピールしたいと意欲を見せる。ユラ州は原語遺産を誇りに思っている。ユラにとって、フランス語は決定的な自己アインデンティーの問題で、ベルン州から分離独立した州となった経緯は、この原語問題に因る。

国際ブックフェアでは本の売り上げも莫大だ。ガイガー・スポークスマンは、「フェアにコマーシャルサイドがないとは言わない。人々はフェアに来て本を見たついでに、買っていく。両手にいっぱいの本の袋を抱えて帰って行く人が多い。が、フェアの中心はあくまでも本だ。本を売るためのフェアではない。」と述べた。



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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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