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スイスの有名リゾートで別荘を買いたい人に朗報 ( スイスめぐり-1- )

この素晴らしい風景も料金の中に入っております (写真提供 : Klosters)

(swissinfo.ch)

スイスに景勝地は数あれど、クロスタース ( Klosters ) とダヴォス ( Davos ) はその中でも飛びぬけて有名だ。両者はお互いケーブルカーでつながっている。

クロスタースはイギリスのチャールズ皇太子のバカンス先、ダヴォスは政財界の大物が、世界中から年次総会に集まる場所だ。

クロスタースとダヴォスの間の距離はケーブルカーでわずか12キロメートル。しかし建築の視点から言うと、両者の違いは海より広い。

王子様もご愛用

 クロスタースで最も有名な建物は、街の真ん中にある7階建てだ。イギリスのチャールズ皇太子は、いつもここに滞在してスキーを楽しむ。

 特徴的な切妻屋根の下、美しい木のバルコニーが各階を飾ったその姿は、外国人が抱く「アルプスの国」のイメージそのものだ。

 「これはスイスの伝統的な雰囲気のある建築です。( 窓の周りに独特な飾りつけをすることで有名な ) エンガディン地方の建物にもちょっと似ていますね。そして何よりの特徴は、沢山の木材を使っているということです」

 熱心に説明するのは、不動産エージェント、フリードリッヒ・ホーデルさんだ。クロスタースは、休暇用の別荘地として人気が高い。不動産物件は、二部屋半70平方メートルのアパートの30万フラン ( 約3000万円 ) から始まって、上はこの5倍の広さの一戸建て300万フラン ( 約3億円 ) までそろっている。

「 この数年の間に、より広い住居を求めるお客様の数が2倍になりました」とホーデルさんはほくほく顔だ。所有者が売りに出している家具付きのアパートを見せてもらった。衣裳部屋には毛皮、子供用ベッドの枕元にはビロードで作られた、かわいらしいおもちゃが置いてある。

こんな所に別荘を持ってはいかがでしょう

 価格は様々だが、全ての物件に共通しているのは切妻の屋根と、木の手すりと日よけのついたバルコニーだ。室内の壁と床、天井はコンクリートで作られているが、ほとんどの場合、これらも全て木材で覆われている。

 「多くのお客様は、静かな場所に建った伝統的なスイスの山小屋風の家をお望みです。もちろん、必要な設備がしっかり完備された上での山小屋、ということですが」とホーデルさんは続ける。

 休暇用の別荘として売り出されている「アルプスの山小屋」といっても、いろいろある。スイスのローヌ地方にある細長い農家風のものや、エンガディン地方のずんぐりと低い、石造りのものは、同じアルプス山脈でも、フランスやオーストリアのものとはだいぶ異なった風貌だ。

 近代観光産業は、伝統的なアルプスの雰囲気を失わずに、便利な文明の利器を完備した商品を生み出した。忙しい現代社会から逃げ出した都会人がほっと一息、身も心も休ませるには最適だ。

 昔懐かしいレトロな雰囲気の素朴な家具が室内にあつらえてある。しかし、地下にはかなり広い駐車場にエレベーターまでついている。

文豪が愛した町、ダヴォス

 さて、一方ダヴォスに来ると風景は一変する。あまりの違いにびっくりだ。元々、ダヴォスは設備が完備されている点と、300キロメートル以上のスキー場に近いということから、リゾート地として名が知られていた。近年、世界経済フォーラムが開かれるようになってから、その名はさらに有名になった。

 上から見ると、平面的な屋根をかぶった四角い構造の建物が立ち並ぶ。アルプスの山の上に並ぶ建築物としては、期待を裏切る代物だ。この興ざめする建物は、100年前には豪華な療養所だった。しかし、現在は、味気ないホテルや現代的なビルに変わってしまっている。

 ここに、失われた贅沢な雰囲気を再建しようと乗り込んだ企業家がいる。ピウス・アップさんだ。彼が案内した建物は、19世紀末か20世紀初頭に建てられた。元々、ヨーロッパ中の結核患者が、新鮮な山の空気を求めてスイスに療養に押し寄せたことがきっかけだった。

 「ここにやってくる人々は、当然、素朴な山小屋風を期待してやってくるのですが、実際は大違いの風景を目にするわけです」とアップさんは語る。

 アップさんはダヴォスから少し離れたシャツアルプ( Schatzalp ) でホテルを買った。このホテルはこの辺で最も有名な建物だろう。文豪トーマス・マンが当時療養所だったこの場所で『魔の山』を執筆したのだ。アップさんはこの味気ない建物を、人気のある有名建築家に頼んで昔のような豪勢な建物に改築する計画だ。投資した分は、高級賃貸アパートのビルを建設して回収するつもりだ。

 アパートは昔建っていた療養所と同じくらいの高さ− ( 105メートル ) −になる予定だ。これだけ高ければ、町の全てを見下ろせる。

紆余曲折を経て

 しかしこの計画は、スイス・アルプス協会の規定に反するかもしれない。規定では、全ての建物は切妻屋根を持たなければいけないのだ。

 悪気はないのかもしれないが、この規定はアルプスの多様な建築遺産を守ることに大きな役目を果たすわけでもなく、ただ単に同じような種類の建物ばかりを増やしただけだった。

 ダヴォスだけは例外だった。スイスの人気建築事務所、「ヘルツォーク&ド・ムーロン」が設計したビルはかなり革新的で、計画が発表された当初こそ人々は眉をひそめたが、結局、住民投票でゴーサインが出た。

 アップさんは、シャツアルプの開発計画は2010年には完工すると見ている。しかし、これがアルプスの村の新しいトレンドになるとは思っていない。アップさんはいたずらっぽく笑う。「村の人々の頭の中を変える、ということが私たちの目的ではありませんからね」

swissinfo、デイル・ベヒテル ( クロスタースにて ) 遊佐弘美 ( ゆさ ひろみ ) 意訳

キーワード

クロスタースは海抜1200メートル、人口は3500人。
ダヴォスは海抜1560メートル、人口は1万1000人。
クロスタースはダヴォスのスキー場とケーブルカーでつながっている。
イギリスのチャールズ皇太子がクロスタースにスキー休暇に来ることから、イギリスからの観光客に人気がある。
ダヴォスでは毎年1月、世界経済フォーラムが開かれ、ビル・ゲイツやブッシュ大統領など世界中から政治経済界の大物が集まるので有名。

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