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スイスの農業  持続可能な生き方探る村グリンデルワルト

アルプスに囲まれ、緑鮮やかな牧草を求めてゆったりと動くグリンデルワルトの牛たち

一面に広がる牧草地帯の丘を登っていくと、ブラヴァントさん夫妻が乳牛8頭の世話に励むのが見える。スイス中部の村グリンデルワルト。

「お客さんがレストランに来ないときは、こうやって2人で牛の世話したり、草を刈るんだ」。アルプスに囲まれた牧草地でセミ・ブラヴァントさんは言う。

スイスアルプスを代表するアイガーやユングフラウの登山基地として知られるグリンデルワルトは農業の村でもある。山岳地域という厳しい条件の中、ブラヴァントさんのように多くの農家の担い手が観光業との両立に取り組む。だが、農業自由化の圧力も加わり、グリンデルワルトは今後どう変わるのか。

観光業と両立

 グリンデルワルトには150世帯の農家がある。農地面積も地域の約8割を占める。 

 観光業との両立という考え方が芽生えたのは80年代に入ってからだ。過疎・高齢化が進み、農業をあきらめる人が相次ぐ中、観光業との両立に注目が集まり始めた。現在、村の90%以上は観光収入で成り立つ。 

 観光収入は地域の農協が管理する。ブラヴァントさんの場合、彼が所有する6ヘクタールの酪農地をスキーリフトが通るため、リフト運営会社はブラヴァントさんが所属する農協に農地使用料を払う。農地を利用するホテルや土産物店も農協に支払う仕組みだ。 

 ブラヴァントさんはこの他に、観光客向けのレストランを経営する。ここでの売り上げは家計の半分を支えるほどだ。「牛の世話を長年してきたけど、人の世話までするとは思わなかったよ」とブラヴァントさんは笑う。 

 「でも、農業はあきらめたくないんだ。観光のオフシーズンになれば、村が閉散としてしまう。仕事を求めて村を出れば、ここはゴーストタウンとなるだけだろ。観光収入だけに頼るのは嫌だよ」と話す。

農業自由化圧力

 地域の農協が管理する観光収入の他に、国から補助金も出る。

 山岳地域での農業放棄に歯止めをかけるため、草刈りをして荒廃を防ぎ、美しい景観を維持して農地を守れば、国が助成する仕組みだ。 

 だが、グリンデルワルトを囲む環境は厳しさを増す一方だ。 

 政府は農政改革の目玉として、ミルク輸入量制限や輸出補助金など現行の保護政策撤廃を掲げており、世界貿易機関(WTO、本部・ジュネーブ)の農業自由化交渉では農産物関税引き下げの圧力も迫っているためだ。

 「グリンデルワルトが今後どうなるのかなんてわからないよ。農業では生きていけないとやめていく人が多いんだろうね」とブラヴァントさんは寂しげに話した。


 スイス国際放送  デイル・ベヒテル   安達聡子(あだちさとこ)意訳 

補足情報

スイスの農業:


スイスは生産条件の悪い山岳地域が国土の約7割を占める。

過疎・高齢化で農業をあきらめる担い手が相次ぎ、経営規模の大きい農家による農地の集約化が進んでいる。

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