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スイスの銀行が第3四半期の決算予想を発表

青空に暗雲広がる? swissinfo.ch

スイス2大銀が2007年7月から9月までの第3四半期決算予想を発表した。

スイス最大手のUBSは最高8億フラン ( 約790億円 ) の赤字、クレディ・スイス ( Credit Suisse ) は13億フラン ( 約1285億円 ) 前後の黒字を見込んでいる。

赤字のUBS

 アメリカの信用収縮の影響はやはり大きかった。特にスイス最大手のUBSはこの住宅ローン市場危機の風圧を受け、第3四半期は6億フランから8億フラン ( 約594億円から約790億円 ) の赤字になると予想している。

 UBSが赤字に転落するのは9年ぶり。今年の第2四半期も56億フラン ( 約5544億円 ) とこれまで最高の黒字を記録している。今回の大損失の原因は、主にアメリカのサブプライムローン市場にあり、この分野だけで損失はおよそ40億フラン ( 約3960億円 ) に上ると予想されている。他の分野は好業績にあり、第3四半期全体としては最高8億フランの赤字になると見込まれている。CEOのマルセル・ローナー氏は、「今回の苦渋はよい教訓となり、UBSはさらに強固な組織となる」と確信している。しかし、2007年の総決算が昨年よりも劣ることはほぼ間違いない。

黒字のクレディ・スイス

一方、スイス第2大手クレディ・スイスからの報告はもう少し明色を帯びている。インベストメント・バンキングやアセットマネジメントなどの部門はやはりアメリカの混乱に巻き込まれているが、2割前後の誤差でおよそ13億フラン ( 約1285億円 ) の黒字が見込まれている。また、9月までの業績はこれまでの最高を記録すると期待されている。詳細は11月1日に発表される予定だ。

swissinfo、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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