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スイスは生物多様性の保護にもっと力を入れるべき

州と連邦の役割分担がむずかしいのか。豊かな自然を守りたい環境保護団体の不満は募る imagepoint

5月19日から30日まで、ドイツのボンで生物多様性条約第9回締約国会議 ( 国連自然保護会議 ) が開催されている。

これに際し、この条約に定められている内容の実現化はスイスでは数年前から遅々として進んでいないとして、世界自然保護基金とスイス鳥類保護団体がヨーロッパ会議に苦情を申し立てた。

政府に対し、非難の声を上げる環境保護団体

 スイスは1989年以降、ベルン協定およびヨーロッパの自然保護プログラム「エメラルド」にのっとり、破壊の危機にある動植物の生活圏や絶滅の危機に瀕した種を保護する義務を負っている。しかし、世界自然保護基金 ( WWF ) スイス支部とスイス鳥類保護団体 ( SVS ) は、これまでほとんど何も行われていないと主張する。

 連邦政府はヨーロッパ全土と協力して保護を進める代わりに、保護すべき区域の制定を州に押しつけていると、両団体は非難する。これはこの国際協定の主要原則に違反するとして、この度、ヨーロッパ会議に苦情を申し立てた。

 WWFと鳥類保護団体によると、スイスの種の多様性は激減しており、4万種と推定されているスイスの動植物のうち、半数以上が絶滅の危機に瀕している。野生植物の3分の1、鳥類の4割、そして両生類の95%はすでに稀有もしくは絶滅の危機に瀕しているということだ。

swissinfo、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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