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スイスサッカー 得点なしでW杯へ

Keystone

10月14日夜、バーゼルで2010年のサッカー世界選手権南アフリカ大会の予選、対イスラエル戦が行われた。この日、スイスが世界選手権への出場権獲得に必要なポイントは、引き分けで取れる1点だった。

そして、試合の結果はまさに0-0の引き分け。スイスのナショナルチームはこの1ポイントをもぎ取り、グループ首位を守って前回のドイツ大会に続き世界の土俵に上がることになった。

最後まで緊張

 この夜、スイス代表のメンバーは、ザンクトヤコブスタジアムを埋め尽くした3万8500人の観衆の前で夢をかなえた。世界指折りの名監督と評判のオットマー・ヒッツフェルト氏が率いる代表チームは、2010年夏に南アで開催されるサッカー世界選手権への出場権を手に入れた。これでスイスは、世界選手権と欧州選手権合わせて4回連続で出場を決めたことになる。

 試合前のグループ対戦成績は、スイスがトップで勝ち点20、続くギリシャが17。スイスが自動的にW杯への出場を決めるには最低1ポイントが必要であり、対イスラエル戦を少なくとも引き分けで終わらなければならなかった。

 イスラエルは国際サッカー連盟 ( FIFA ) の世界ランク22位。スイスは現在15位。とにかく「負け」だけは避けなければならない試合、心理的には早いうちに1点を確保しておきたいところだった。しかし、試合開始直後のチームは全体的に動きがぎこちなく、その後も、優勢をキープしつつも結局ゴールには至らなかった。スイスのW杯出場決定は最後の瞬間まで分からない試合運びとなった。

 今回の対イスラエル戦では、先週行われた対ルクセンブルク戦とメンバーが大きく入れ替わった。対ルクセンブルク戦の後、キャプテンのアレックス・フライ選手、ベンヤミン・フッゲル選手、ゴールキーパーのディエゴ・ベナーリオ選手らがインフルエンザにかかり、ヒッツフェルト監督は彼らが100%力を出し切れないとみて投入を控えたためだ。

 試合後、ヒッツフェルト監督はマスコミのインタビューで「まだ緊張が解けない」と語り、早いうちに得点を取ることができなかったために「結局最後の最後まで緊張した」と心情を明かした。スイス代表の監督就任後の目標は世界選手権南ア大会出場だったが、
「この目標をかなえられると常に信じてきた。これから南アで世界のベストチームと対戦するのだ」
 と、ようやく緊張が喜びに変わった。

小山千早 ( こやまちはや ) swissinfo.ch

2008年9月6日
イスラエル―スイス 2-2 ( 0-1 )
2008年9月10日 
スイス―ルクセンブルク 1-2 ( 1-1 )
2008年10月11日 
スイス―ラトビア 2-1 ( 0-0 )
2008年10月15日 
ギリシャ―スイス 1-2 ( 0-1 )
2009年3月28日 
モルドバ―スイス 0-2 ( 0-1 )
2009年4月1日 
スイス―モルドバ 2-0 ( 1-0 )
2009年9月5日 
スイス―ギリシャ 2-0 ( 0-0 )
2009年9月9日 
ラトビア―スイス 2-2 ( 0-1 )
2009年10月10日 
ルクセンブルク―スイス 0-3 ( 0-3 )
2009年10月14日 
スイス―イスラエル 0-0

1. スイス 勝ち点21
2. ギリシャ 20
3. ラトビア 17
4. イスラエル 16
5. ルクセンブルク 5
6. モルドバ 3

<ヨーロッパ>
イタリア、セルビア、デンマーク、ドイツ、オランダ、スペイン、イギリス、スイス、スロバキア
<アフリカ>
南アフリカ ( 開催国 ) 、コートジボワール、ガーナ
<アジア>
オーストラリア、北朝鮮、韓国、日本
<オセアニア>
なし
<南米>
ブラジル、パラグアイ、チリ
<北中米>
アメリカ、メキシコ

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