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日韓関係 日本と何も共有したくない韓国

ソウルの慰安婦問題デモ

韓国では日本に従軍慰安婦問題への謝罪・補償を求める運動が繰り返される

(Keystone)

沈黙は金。今年の韓国防衛白書にはこう記されている。昨年の白書とは異なり、北朝鮮の独裁政権はもはや「敵」とはみなされていない。代わって不信の目で見られているのは民主主義国・日本だ。

日本はこれまで「自由な民主主義と市場経済という基本的価値」を共有する国と解説していた。だが今やこれは当てはまらなくなっている。白書に起こった変化は、2017年にリベラル左派の文在寅(ムン・ジェイン)氏が大統領に就任したことで北朝鮮問題の取り扱いが変わったことを物語る。韓国政府は北朝鮮に近づき、日本政府との確執を広げた。

ざわつく半島

金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ロ・ムヒョン)大統領が北朝鮮に対する「太陽政策」を取った時代に、北朝鮮は「巨大な敵」との記述をやめた。だが韓国軍の思考の中では常に「直接」で「深刻な脅威」と捉えられていた。それが変わったのは2010年、保守派の李明博(イ・ミョンバク)政権時代だ。韓国海軍の哨戒艇「天安」が北朝鮮軍に沈没させられた事件をきっかけに、北朝鮮は再び韓国の敵となった。

韓国は現在も、北朝鮮の大量破壊兵器が朝鮮半島の平和と安定にとって大きな脅威であるとの立場は変えてない。北朝鮮が兵器利用されうるプルトニウムを約50キロ保有すると推定している。それでも文政権初の防衛白書では、柔らかな口調で北朝鮮問題を語った。こうした手法で半島の緊張を解き、北朝鮮の非核化を実現するのが文政権の狙いだ。

韓国が日本と距離を置くのは一つの意趣返しだ。日本政府側はすでに3年前から、韓国との二国間関係の説明から「自由、民主主義、人権という基本的価値を共有」するとの文言を削除している。これらの価値によって中国や北朝鮮と線引きしてきた両国の二国間関係は、この数年悪化する一方だ。

一面では、日本が韓国を占領していた1905~45年の問題が正しく処理されなかったことが、繰り返し蒸し返されている。例えば日本帝国軍に慰安を強要された若い女性たちの問題がそれだ。日本が差し出した一応の解決策を、文政権は昨年、最終的になかったことにした。また日本企業がかつて韓国人に強いた強制労働に対する韓国裁判所の違法判決が相次いでいる。判決を受けた日本企業は、韓国にある財産の差し押さえを突き付けられている。日本政府は憤慨し、1965年の日韓基本条約とともに結ばれた請求権協定で解決済みとの立場を明確にしている。

内政上の理由

緊張関係は軍事にも及ぶ。昨秋、日本の海上自衛隊の旗をめぐる問題から、韓国・済州島で開かれた友好的な国際観艦式に参加しないという事態に発展した。先月からは韓国海軍が日本の哨戒機に火器管制レーダーを照射したかどうかをめぐり両国が争っている。韓国政府はこれを否認し、日本政府は韓国側に責任があるとの立場を貫く。

日韓関係にとって、文氏が北朝鮮への接近を演出していることも重荷になっている。というのも、南北朝鮮がこれほどに団結できるのは、占領時代の日本に対する怨恨以外にないからだ。3月1日には歴史的な記念日が控える。日本の占領に対する独立運動が始まってから100年になるのだ。この日に合わせ、北朝鮮・韓国両政府は安重根の遺骨の共同発掘事業をする予定だ。安は1909年、日本の4代にわたって総理大臣を務めた韓国統監・伊藤博文を殺害した。その後、安は中国・旅順(当時のポート・アーサー)で日本軍に処刑された。韓国人にとって安は独立の勇士であり、日本にとってはテロリストだ。

加えて韓国内政は対日関係の緊張が続くように苦心している。経済減速を背景に、文政権の人気は急降下。日本に対する批判は、そこから目を反らすのに役立つ。同時に朝鮮半島の接近が日韓両政府の緊張関係を一段と厳しくする。確かに両国とも北朝鮮の非核化という共通の目標を持つが、日本の安倍晋三首相は文大統領よりも強硬姿勢をとる。北朝鮮政府と政治・経済的に接近する準備を整える前に、数十年前に北朝鮮に拉致された日本人の行方を明らかにするよう求める。文氏は反対に、経済制裁をできるだけ早く緩和し、開城工業地区を再開したい考えだ。

※本記事はNeue Zürcher Zeitungに掲載されたPatrick Welter(ツイッター:@welterpatrick他のサイトへ)記者の記事他のサイトへを翻訳・転載したものです。


(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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