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スイスで注目される「ソバ」 地産地消に向け研究進む

ソバ畑
御嶽山を背景に広がるソバ畑。スイスにも1950年代まではソバの実の名産地があった Wikimedia Commons/Tomio344456

スイスでも昔はソバの実を料理に使ったものだが、今ではすっかり見かけなくなった。今も残る食品と言えば、スイス東南部ポスキアーヴォの伝統食品「ピッツォーチェリ」(ソバ粉のパスタ)くらいだろうか。そんなソバに、再び注目が集まっている。

日本人にとって蕎麦は、日本の文化に根ざした食材だ。ソバ粉100%の10割蕎麦、と言いたいところだが、麺をつなぎコシを出す「グルテン」という成分を含まないため、小麦粉を混ぜて作るのが一般的だ。反対にグルテンを避けたい人にとって、ソバは貴重な食材だ。スイス農業にとってもメリットの多い作物だという。

種の保存に努めるスイスの非営利団体「プロ・スペシエ・ララ(Pro Specie Rara)」はそのため、スイスにおけるソバ栽培の促進に乗り出した。今月末には連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と共同でシンポジウムを外部リンク開催。農業、飲食業、販売業を一堂に集め、スイスでの栽培に適した品種研究の進捗などを紹介する。

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なぜ、ソバが注目されているのか。プロ・スぺシエ・ララで様々な品種を農業生態学的に研究するアンドレア・シュタイネッガー氏は、「ソバは(主食の米や小麦を補う)雑穀として貴重な食物だ。スイスで栽培されている他の植物との輪作にも適し、乾燥に強く肥料をあまり必要としない」と説明する。

ソバも、米や小麦と同じ「穀物」だと思うかもしれないが、植物学的には「疑似穀物」に分類され、タデ科多年草のルバーブやスイバの方が近い植物だ。「ソバはかわいらしい花を咲かせ、私たちの目を楽しませてくれる」

連邦経済省農業研究センター外部リンク(Agroscope)によると、スイスでソバは「貧民の食べ物」として知られ、グラウビュンデン州ポスキアーヴォは名産地の一つだった。だが1950年代半ばに荒廃し、当時の品種は現存していない。まさにミツバチの存在により「収穫時期を決めるのが難しく、収穫に多大な労力を要する」という。

ヘス氏はETHZの研究の一環で、170種類に及ぶソバの品種をスイスで試験栽培している。十分な収穫を得られる品種はまだ見つかっていないが、「この試験栽培でソバの収穫量を増やし、安定したレベルにまで持っていきたい」と希望を語る。歴史的には、かつてスイスでもソバが栽培されていたという記録が残っている。

ヘス氏もシュタイネッガー氏も、ソバに大いに期待している。「オーツ麦も長らく忘れられた存在だったが、今やヘルシー食品としてすっかり定着した。ひょっとしたら、ソバも近い将来、そうなるかもしれない」(シュタイネッガー氏)

(レシピ提供:レストラン・カントンスシルト、所在地ガルミッツ)

材料(4人分)

オリーブオイル                大さじ3

タマネギ                            中1個(みじん切り)

ニンニク                            1片(みじん切り)

ソバの実                            200 g(さっと水洗いして水を切っておく)

白のスパークリングワイン、又は白ワイン 500 ml

野菜ブイヨン                    400 ml

牛乳                                  100 ml

塩・胡椒                           適宜

作り方

深めのフライパンにオリーブオイルを入れて熱する。みじん切りにしたタマネギとニンニクをさっと炒める。次にソバの実を加え、焦げないように中火で半透明になるまで炒める。

スパークリングワインの4分の1を注ぎ入れる。汁気がなくなったらすぐにブイヨンの4分の1を加える。ワインとブイヨンを交互に加えながら、煮汁がなくなるまでこの作業を繰り返す。

最後に牛乳を加え、塩、胡椒で味を調える。

お好みでパルメザンチーズ(分量外)をかけて召し上がれ!

(レシピ提供:ハンスイェルク・ラドゥルナーさん、レストラン・スカロッタス、所在地レンツァーハイデ)

材料(ケーキ型26 cm

バター                           250 g(室温に戻しておく)

砂糖                            250 g(150 g + 100 g)

バニラビーンズ              少々

卵                                 6個(卵黄と卵白に分ける)

シナモン                       1、2ふり

ソバ粉                          250 g

アーモンドプードル        250 g

クランベリージャム        400 g

粉砂糖     適宜

作り方

バターに砂糖150 gとバニラビーンズを加えてクリーム状に混ぜる。

卵を卵白と卵黄に分け、卵黄を少しずつバターに加える。シナモンを加える。もったりとしたクリーム状に混ぜる。

別のボールで卵白をゆるめに泡立てる。残りの砂糖100 gを加え、しっかりとしたメレンゲを作る。

ソバ粉とアーモンドプードルを混ぜ合わせ、②のクリームに加える。③のメレンゲをその上に滑らせるように加える。均一になるまで、ヘラでさっくりと混ぜ合わせる(混ぜ過ぎ注意)。

出来上がった生地を、バターを塗ったケーキ型(26 cm)に流し入れる。175度に予熱したオーブンで約1時間焼く。ケーキを型から取り出して冷ます。

ケーキが冷めたら水平に切り目を入れ二等分する。切断面にクランベリージャムをたっぷり塗り、ケーキを重ねる。粉砂糖を振りかける。

お好みでホイップクリーム(分量外)を添えて召し上がれ!

独語からの翻訳:シュミット一恵、校正:ムートゥ朋子

本投稿は独語圏のスイス公共放送(SRF)の記事を転載したものです。

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