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スイス高官、国連のセルビア制裁を批判

スイス開発庁のウォルター・フスト長官(写真)は、国連のセルビア制裁は、民主主義を守る効果は何も上げていないばかりか、一般の国民を苦しめていると批判した。

スイス開発庁のウォルター・フスト長官(写真)は、国連のセルビア制裁は、民主主義を守る効果は何も上げていないばかりか、一般の国民を苦しめていると批判した。

開発庁の会報で、フスト長官は、制裁措置は一般の人々、特に年少者と高齢者を苦しめているだけで、ミロシェビッチ政権に対しては何の効果を上げていないと批判した。

スイスはユーゴスラビアへの投資と送金の禁止、ビサ発効の規制、セルビア政権に近い約600人の入国禁止、ガス・石油の輸出禁止など、EUが課した主な制裁を施行している。

10月、スイス閣僚は、金融制裁の強化、外国銀行の口座を凍結するユーゴスラビア国民のリストの拡張など、6月末EUが追加した制裁事項を支持するかどうか決定する。外務省のダニエラ・ストッフェル報道官は、政治と人道の矛盾を認めながらも、スイスはEU支持を続けるだろうと語る。

ミロシェビッチ政権への制裁に反対しているのは、スイス開発庁だけではない。EU内でも意見の統制は取れておらず、7月仏外相は、制裁は期待された効果を上げていないと発言している。

スイスは1年以上、ユーゴスラビアへの人道援助を積極的に行っている。ロシア、ギリシャと共に、昨年のNATO軍のコソボ空爆中、ユーゴスラビア全被災地への緊急用の食料と医療品を供給するフォーカス計画を開始し、後オーストリアもこれに加わった。

多くの国々が、ミロシェビッチが政権を握っている限りはユーゴスラビアに人道援助を行わないとしているが、スイスは一般人のための人道援助を続けている。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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