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スキーリゾートのプロジェクト認可で、不動産規制に割れ目

シャンペリーのリゾート地は豪華な別荘の急増に悩んでいる swisscastles.ch

スイスに居住していない外国人も、現行の不動産販売規制を避け、ヴァレー州のリゾート地シャンペリーの豪華なホテルやアパートを購入することができるようになった。

このコンテンツは 2008/07/18 15:26

連邦司法省は、1億フラン ( 約104億6000万円 ) を要するホテル・アパート建設プロジェクトの大半を認可した。このプロジェクトでは、非居住者の外国人が特別な許可を取得しなくてもホテルの部屋やアパートを購入できる。

「冷たいベッド」

「ポート・ドゥ・ソレイユ ( Portes du Soleil ) 」スキーエリアの一部であるシャンペリー ( Champéry ) もまた、スイスのほかの多くのリゾート地と同様、豪華な休暇用シャレーの急増に悩んでいる。それらのシャレーが貸し出されることはほとんどなく、所有者は1年間のうちほんの数週間しか滞在しない。

この問題を解決するために、ホテル業の開発に熱心なスイスの村が1月に、フランスのホテルグループ「メゾン・ド・ビアリッツ ( Les Maisons de Biarritz ) 」と共同で、4ツ星のエコロジカルな休暇用の複合宿泊施設を建設する計画を発表した。この複合宿泊施設には3軒のホテル ( ベッド台数600 ) 、15軒のシャレー ( 合計ベッド300台を収容できるアパート51棟 ) そしてスパが含まれる。

ヴァレー ( Valais ) 州の経済長官ジャン・ミシェル・シナ氏は、スイス政府が下したホテル3軒の建設許可と現行の不動産売買規制への柔軟な対応は、「冷たいベッド」の問題解決に非常に重要だと述べる。
「これは実に歴史的なスイス初の決断です。スイスの観光経済に新しいはずみをつける強いシグナルです」

フランスやほかのヨーロッパ諸国ではよく知られているが、リゾート地にある休暇用の複合宿泊施設の一部であるアパートが売買・賃貸されている。それらのアパートは、長期的に賃貸のできる価値の高いリゾート用宿泊施設で、良い投資となる。しかし現在までのところ、コーラー法として知られるスイス法の伝統的な適用の下では、外国人非居住者がそれらの不動産を購入することは不可能だ。

シナ氏によると、今回の認可でアルプス山脈のスイスの観光地すべてが利益を得ることになる。
「司法省が慣行を変えるのは初めてのことです。これによってアパート、ホテルの部屋の販売によって建設のための資金調達に可能性が開かれました」

過去2年間、シナ氏は観光業界とビジネス界、そして前閣僚クリストフ・ブロッハー氏と司法相エヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ氏に、これらの施設の建築がスイスの観光経済に与えるポジティブな影響を説いて働きかけてきた。

新しい複合宿泊施設の建設計画はドイツ語圏のスイスでも立ち上がっている。スキーリゾート地のラックス( Laax ) で、不動産開発業者が同様の「共有所有権」プロジェクトを計画している。「ロック・リゾート ( Rock Resort ) 」 として知られるこのプロジェクトは、160戸のアパートと、販売・賃貸用のホテルの部屋75室を含む。

シャレーについてはクエスチョンマーク

ホテルについては前向きな決定が出たが、司法省は新しいシャレーの建設は許可しない意向だ。

シャレーと3軒のホテルとの距離 ( 800メートル ) 、設備の不足、ホテルとの共通の構造の不備などの理由から、シャレーのベッド300台という収容可能数は、外国人非居住者への不動産の販売を規制する現在の法律には該当しないとスイス政府は言明した。
「それらはむしろ、コーラー法に抵触する休暇用アパートです」
と司法省弁護士カーステン・カラウ氏は述べた。ところがフランスのホテルグループは、落胆とは全く逆の反応を示した。
「素晴らしい勝利です。非常に難しいことは以前から分かっていました。しかし今は暗闇に一条の光が差し込んでいるような気分です」
とメゾン・ド・ビアリッツの社長ミシェル・デュペ氏は語った。

シャレーには限られた選択肢が残っている。司法省のガイドラインにプロジェクトを合わせるか、外国人の購入希望者のために州の予備の割り当て許可を使用するかのどちらかを選択し、連邦裁判所へ控訴することができる。さらに、地元当局とホテルグループは、環境に配慮した非常に厳しい建築基準に合った新しい複合宿泊施設を建築することを約束したが、15軒のシャレー建設に反対する「スイス・ヘリテージ・ソサエティー ( Swiss Heritage Society ) 」の提訴とも闘わなくてはならない。

魅力的な開発オプション

外国の不動産開発業者は、スイスの山岳リゾートの可能性に魅了されているが、度々スイスの法律にぶつかる。コーラー法を廃止する考えが広く受け入れられている一方で、連邦議会議員たちは、法律のいかなる変更も投機を避けるために強力な政策を伴うべきだと主張する。

3月に全州議会 ( 上院 ) が 、外国人非居住者に対する不動産販売の規制解除計画を見直すよう政府に要求した。必要最低居住者数が不動産の販売に対して適用されるべきか、さらに1年のうちほとんどが空いている休暇用宿泊施設のいわゆる「 冷たいベッド」の問題に対していかに対抗するか、内閣の考慮を要求する案に大半が賛成票を投じた。

政府は、外国の利権がスイスに強い足場を得ることを心配する必要はなく、現在の規制は完全な自由市場の開発を阻止するものだと考えている。

サイモン・ブラッドレー swissinfo、笠原浩美 ( かさはら ひろみ ) 訳

スイスでの不動産の購入

スイスの法律は、外国人、外国を本拠地としている企業、またはスイスに本拠地を置くものの、外国人が経営している企業によるスイス国内での不動産の取得を制限している。原則として、該当する州当局からの許可が必要。

連邦法と州法で定められた条件を満たす場合にのみ許可が下りる。特定の状況によっては、非居住者に休暇用の住居を購入する許可が与えられる可能性もある。

外国人がスイスでの不動産所有権を取得しても、居住権は発生しない。

不動産購入許可を必要としないのは、欧州連合または欧州自由貿易連合に加盟する国の国民、スイスの居住許可を所持しているスイス国内居住者、スイスに定住する権利のある外国人、適切な居住権または定住権の所有者が経営し、スイスを基盤とする企業。

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厳しい規制

スイス国外に居住する非スイス人による不動産の購入は、不動産投機と価格の高騰を防ぐため1961年から規制されている。

1972年に不動産市場が過熱状態にあるとみなされ、不動産の販売は一時的に停止された。

1974年には規制が厳しくなり、連邦政府当局は監督を強化した。しかし販売凍結は解除された。

観光地域に下りる許可の数は1979年に規制され、1984年の国民投票でも規制が支持された。

1995年には、休暇用住居、不動産業者、投資の許可に対する規制は国民投票で否決された。

1990年代の後半から、外国人と外国企業が満たさねばならない基準が緩和され、規制はややゆるやかになった。

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