約200人の環境活動家がUBSやクレディ・スイスの本社があるチューリヒのパラーデ広場を占拠している。銀行による化石燃料プロジェクトへの投融資が気候変動を悪化させているとの訴えだ。
このコンテンツが公開されたのは、
活動家は2日朝以降、パラーデ広場をドラム缶や自身の体を使って封鎖している。占拠が始まって間もなく警察が出動し、活動家を1人ずつ追い出した。同日昼には約30人を一時的に留置したという。
占拠は「気候のために立ち上がれ」を合言葉に、気候ストライキ・スイスやエクスティンクション・レベリオンなど複数の環境団体が結束。環境に負荷を与えるプロジェクトに投融資する金融機関を批判する。
スイス国立銀行(中央銀行)や民間銀行は石油や石炭、天然ガスを採掘・使用するプロジェクトに数十億フランを投じている。そのために世界は気候変動で死にかけている――活動グループは声明でこう主張した。
それらの投融資がなくなれば、国際的な気候目標をなんとか達成できる見込みがあるとする。
UBSは2日、デモへの応答として気候保護は同行の「最優先事項」であり、「2050年までに温室効果ガスの排出を事業全体で差し引きゼロにする。科学に基づいた暫定目標を2025年、30年、35年に置いている」と説明した。
中銀にも訴え
2日のデモは環境団体「Rise up for Change(変化のために立ち上がれ)」が組織した1週間にわたる活動の一部だ。現在、数百人の活動家がチューリヒに急設された(公式に認可を受けている)キャンプに集まっている。6日午後にはベルンの中央銀行前でデモ活動を行う予定だ。
おすすめの記事
おすすめの記事
クレディ・スイス批判の環境活動家に無罪
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの銀行大手クレディ・スイスの化石燃料への投資に対する抗議活動の一環で、同行敷地内に侵入、無断でテニスの試合をした12人の気候変動活動家に対し、ローザンヌの地方裁判所は13日、無罪の判決を出した。
もっと読む クレディ・スイス批判の環境活動家に無罪
続きを読む
おすすめの記事
気候活動家の無罪判決、スイスメディアはどう報じたか
このコンテンツが公開されたのは、
裁判は1人の裁判官で行われた。判決を出した裁判官は、気候の大惨事に対し、12人の気候活動家たちが起こした行動は「必要かつ相応」だったと判断。 CSでの行動は、銀行に何らかの対応を取らせ、世間の注目を集めるには唯一かつ効果…
もっと読む 気候活動家の無罪判決、スイスメディアはどう報じたか
おすすめの記事
銀行の環境破壊投資を止めるには
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで今週、化石燃料に投資する金融機関を批判する気候活動家が初めて裁判に勝利した。環境保護派の矛先にあるのはクレディ・スイスのような民間銀行だけでなく、中央銀行のスイス国立銀行(SNB)も射程に入っている。
もっと読む 銀行の環境破壊投資を止めるには
おすすめの記事
スイスの銀行は気候リスク開示を 当局が異例の要求
このコンテンツが公開されたのは、
気候変動が深刻になり、金融機関も行動や考え方の変容を迫られている。スイスでは当局の異例の要求を受け、銀行らも本腰を入れざるを得なくなった。
もっと読む スイスの銀行は気候リスク開示を 当局が異例の要求
おすすめの記事
スイス金融機関が核兵器に9千億円投資 その言い分は
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの中央銀行や大手銀行は9千億円超を世界の軍需企業に投資している。この状況に終止符を打つべきかどうか、11月29日の国民投票でスイス有権者が選択する。
もっと読む スイス金融機関が核兵器に9千億円投資 その言い分は
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。