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レダラッハ不買運動、SWISSが提携解消

A flight attendant attends to Swiss Business Class passengers
スイスインターナショナルエアラインズは、ビジネスパートナーを選ぶ際は、そのブランドイメージが合っているかどうかが重要だと語った Keystone

スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)は、過去10年間に一部の搭乗者へ配っていたスイスの老舗チョコレートブランド「レダラッハ」のチョコ入りボックスについて、4月中旬からこれを取りやめる。マイノリティ団体によるレダラッハの不買運動が影響したとみられる。

スイスのニュース雑誌ベオバハターの報道によると、SWISSは昨年11月、レダラッハとの提携を解消した。

レダラッハ・マーケティング部のパトリック・Th・オンケン部長は、同社に対する昨今のネガティブな報道にSWISSが難色を示したためと発言した。

レダラッハをめぐっては、ドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガーが昨年9月、前最高経営責任者(CEO)が中絶反対デモ主催団体の役員で、同性婚に反対するキリスト教団体の役員も長年務めていると指摘。息子で現CEOのヨハネス・レダラッハ氏も同様だと報じた。これがきっかけで、LGBT団体などによる不買運動が広がった。

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このコンテンツが公開されたのは、 スイスのチョコレートブランド「レダラッハ」創業者一族が、同性婚や中絶の権利に反対する活動を支援しているとして、LGBTQ団体などがレダラッハの不買運動を続けている。ヨハネス・レダラッハ最高経営責任者(CEO)が、ドイツ語圏の日曜紙に、自身は「女性差別主義者ではない」が「異なる意見を持つ」と反論した。

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ベオバハターはターゲス・アンツァイガーが報道した内容は「同性愛者の従業員を多く持つSWISSにとっては許容しがたかった」と指摘した。

SWISS広報担当マイケ・フールロット氏は詳細は語らなかったが、サプライヤーを選ぶ際の決定的な要因は「品質、さまざまな経済的要因、ブランドイメージが合っているか」だと述べた。

「直接の会話」

キリスト福音派信者のヨハネス・レダラッハCEOは地元紙NZZのインタビューで、自身は同性愛嫌悪や女性嫌悪者ではないと否定したが、同性婚や女性の中絶の権利には反対だと繰り返した。

レダラッハ氏は「2019年もビジネスは成長を続けたが、去っていった顧客はいる。だがその代わりに新しい顧客が来るようになった」と日曜紙NZZ・アム・ゾンタークで述べた。

ベオバハターによると、レダラッハ側は不買運動後、何社と契約解消に至ったのか明らかにしなかったが「ほとんどのケースで、直接話をしたら問題は解消できた」とした。

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