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ネオナチを締め出すために

ネオナチがサッカー競技場に入場する前に、既に国境で入国を阻止することができるようになる。 Keystone

連邦警察の報告によると、ネオナチがサッカーやアイスホッケーの競技の場で、フーリガンをはじめ観客などを自分達の組織に新メンバーとして取り込む動きが最近、目立っている。

このコンテンツは 2004/08/04 15:28

2008年にスイスとオーストリアで同時開催されるサッカー欧州選手権に向け、会場でネオナチやスキンへッズを取り締まる新しい法律が議会で提案されている。発効となれば、ネオナチの活動がより厳しく監視されることになるという。

サッカーなどスポーツ大会は、フーリガン、スキンへッズ、ネオナチが集まり、スポーツファンに混じって暴れまわる格好の場所になっている。物を壊したり人に対して暴力を振るう行為の中で、フーリガンとネオナチが接触し、交友を深めてゆく。英国では「コンバット18」というネオナチのグループが、長年にもわたりサッカー競技場でネオナチの思想を広めていたという例があり、フーリガンとネオナチの関係が裏付けられよう。
ネオナチではない人でもサッカー場を通して思想的に感化され、グループにスカウトされてゆくという現状が、このほど連邦警察が発表した国内安全調査報告でも明らかになった。

スイスにも多いフーリガンとネオナチ

サッカーなどの会場で大暴れするフーリガンの取締りを行うチューリヒ市警察の専門チームによると、現在スイスには、200人から300人のフーリガンがおり、増加の傾向にある。

フーリガンもネオナチも同じような格好をしていることから、サッカー場でネオナチと区別をするのは難しい。手がかりとなるのは、複数のサッカーチームのファンとして籍を置いているようなフーリガン。彼らは、サッカーに興味があるからではなく、見せかけのファンとしてサッカー会場に来るネオナチである可能性が高いという。

建国記念日の8月1日には、各地で行われる記念式典で大暴れするといったことも、近年頻繁に起こっている。スイスの発祥の地として知られるリュトリの丘での記念式典には今年も多くの極右グループのメンバーが集まり、厳重な警備が敷かれる中、スイスの国旗を振り、右手を斜め前に出してするナチス式の敬礼で「愛国心」を現した。今年は、大きな暴動にはならず、警察が見守る中、戯曲「ウイリアム・テル」の上演前に舟でリュトリの丘を去っていった。

欧州選手権に向け、新しい法律で取り締まる必要

2008年にはスイスとオーストリアの共同開催でサッカーの欧州選手権が開催される。会場でのネオナチの動きを取り締まるため、スイスでは既に連邦警察が対応策を練っている。

連邦警察によると現行法だけでは、フーリガンやネオナチの取り締まりは思うようにいかないという。現在、人種差別やフーリガンそして暴力を煽るようなプロパガンダを取り締まる新法が議会で提案されているところである。連邦警察としては、欧州選手権の開催される2008年には、発効されることが望ましい。新しい法律では、フーリガンのスイス入国の拒否と暴力を振るう前から逮捕できるようになる。

法律のみならず、今年ポルトガルで開催された欧州選手権の警備には、チューリヒ市警察のフーリガン対策専門チームから代表者が派遣され、フーリガンの取り締まりの準備作業に参加した。また、連邦内閣もサッカー欧州選手権「ユーロ2008」での安全について話し合うことにしている。

フーリガンとネオナチの違い

フーリガンは人種差別的思想を持っているが、右翼的な政治思想はあまり持っていない。スキンへッズも明確な政治思想を持つ人は余りいないが、政治的に極右の思想を持つネオナチと共に行動することが多く、ネオナチのメンバーとなる可能性が高いため、ネオナチになることを「予防」するためにも逮捕の対象になる。一方、フーリガンはネオナチにより遠い距離にあり、逮捕の対象とならないと警察は区別している。


スイス国際放送 佐藤夕美 (さとうゆうみ)

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ネオナチと警官の対立が最近、頻繁になった。

連邦警察によると、スイス国内の極右・ネオナチは1,000人で、これに同調する者は700人いるという。

この中で多い州は、アールガウ州(400人)、ヴォー州、ヴァレー州、ジュネーヴ州(各330人)など。

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