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ネットで違法薬物購入、スイスで急増

インターネットを通じて簡単に入手できるようになった薬物や医療薬 swissinfo.ch

今月公表された国際麻薬統制委員会(INCB)の報告書によると、マリファナや大麻など違法薬物をインターネットで輸入する違法行為がスイスで急増していることがわかった。

ネット上の違法薬物売買「取締まり」は、無法状態の国・地域が存在するため、スイス国内規制だけでは困難なのが実情だ。

米国とスイスは先週オーストリアで開かれた国連麻薬委員会(UNCND)の総会で、司法当局によるネット上の違法薬物取締まりを全世界で強化するよう各国に訴えている。

薬物中毒者がネット利用

 連邦自治省が管轄するスイス医療庁(Swissmedic)によると、ネットを通じてマリファナや大麻などの違法薬物を購入しているのは、薬物中毒者が大半だという。

 同庁は、こうした違法薬物はパキスタンから多く輸入されていると話す。同庁の推計によると、8,000にものぼる違法薬物がスイスに持ち込まれており、今後も毎年倍増する見通しだ。

ネット購入の落とし穴

 スイス医療庁は、違法薬物だけでなく、ネット上に出回る医薬品にも注意するよう勧告している。ネットでの購入は医者の診療書を必要としないため、消費者には手軽さが売りとなっているが、医薬品がニセ物だったり、品質保持期限切れなどで、健康に害する危険があると指摘する。

 スイス国際放送 ジョアンヌ・シールズ  安達聡子意訳 

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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