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ネット販売の薬物小包、郵便局の分類部門で見つかる

仏語圏スイスの郵便局分類ターミナルで、ここ数週間で少なくとも350個の大麻の小包が見つかった。インターネット上でメイル・オーダーされた薬物だ。

仏語圏スイスの郵便局分類ターミナルで、ここ数週間で少なくとも350個の大麻の小包が見つかった。インターネット上でメイル・オーダーされた薬物と見られる。

警察の発表によると、大麻の小包はジュネーブ州で120、ヴォー州で90、ヴァリス州で90、フリブール州で40、ヌーシャテル州とユラ州で少数見つかった。警察は郵便局員に疑わしい小包は全部開封するよう要請している。

スイスは薬物に対する寛大な方針で有名だ。が、大麻の消費に関して法はどこまで寛大であるかという問題が残っている。ジュネーブ市議会で最近可決された動議が、この混乱に拍車をかけた。ジュネーブ市議会は2月に大麻解禁案を可決、薬物管理売買の試験的プロジェクトの準備を整えている発表した。その結果、薬物が合法化されたと誤解した人々が出た。ジュネーブ警察のパスカル・ディ カミロ報道官はスイス国際放送に対し、「あれは単なる市議会の提案にすぎない。ジュネーブであろうが、他のどこであろうが、スイス国内で『コーヒーショップ』(麻薬を扱う「カフェ」のような店を欧州ではこう呼ぶ。要注意。)開店が許可されたわけではない。おかげで若者達や両親達が、薬物が合法なのか違法なのか分からなくなり、大混乱を引き起こしてしまった。法改正などされていない。連邦薬物法は大麻を禁じている。」と語った。

現在再検討されている現行法では、大麻を栽培し種を売ることは合法としている。が、乾燥した大麻は薬物と見なされ、売買は違法だ。

郵便局員によって検閲された大麻の小包のほとんどは、インターネットで大麻を販売した会社および個人から発送されたものと判明した。薬物のネット販売は急速に広まっており、警察は取り締まりを強化している。

ジュネーブ検察局は、法の裁きを受けるのは薬物を買う側ではなく薬物販売のウェブサイトを掲載している者であることを期待している。「薬物購入は違法だ。が、ジュネーブの方針は、大麻購入者は販売者と同等の厳しい刑罰を受ける必要はないとしている。」とクリスチャン・コクーズ検事は言う。ジュネーブは販売サイドが現地の検察当局に告訴されるよう、小包を発送された国または州に送り返す決定をした。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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