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バンクーバー 金6個 銅3個

バイバイ・バンクーバー。過去最大のスイス代表団は9個のメダルとともにカナダを去った Keystone

現地時間の2月28日、バンクーバーオリンピックが閉幕した。スイス代表は金メダル6個、銅メダル3個を獲得した。

先週末は男子カーリングが3位決定戦で勝ち、銅メダルを獲得。クロスカントリー男子の最も権威ある種目50キロメートルでは、15キロメートルの金メダル獲得者ダリオ・コロニャ選手がゴール前3位についていたが転倒し、惜しくもメダルを逃した。
 

価値ある金メダル

 コロニャ選手は50キロメートルをトップグループの中で滑り抜いたが、ゴール直前の最後のカーブでバランスを崩して転倒。結局10位でゴールした。レース後のスイス国営テレビドイツ語放送のインタビューでは
「銀か銅は絶対に取れたと思う。一番大きなこの種目でメダルを取れていたらすごかったのに」
 と悔しさを隠せなかった。だが、
「今はつらいが、閉会式では笑顔で旗手を務め、とても満足してスイスへ帰ることができると思う。50キロメートルでも通用し、勝てる可能性があることを見せられた」
 と前向きな姿勢を見せた。

 カーリングでは男女ともに準決勝で破れ、女子は3位決定戦でもカナダに惜敗。男子はヨーロッパ選手権で何度も優勝しているスウェーデンを5対4で破り、銅メダルを獲得した。3連勝と好スタートを切ったあと負けが続き、対スウェーデン戦でも苦戦を強いられたため、チーム代表のラルフ・シュテックリ選手は
「このメダルはわたしにとって金メダルくらいの価値がある」
 と喜んだ。

 スノーボードパラレル大回転では、女子のフレンツィ・メゲルト・コーリ選手が旗門にぶつかるというミスをし、予選落ち。男子のシモン・ショホ選手も準々決勝で転倒し、敗退した。スイス代表とともにトレーニングをしている竹内智香選手は予選を10位で通過したが、決勝トーナメント1回戦でオーストリアのクラウディア・リーグラー選手に敗れた。

 ジャンプでダブル金を取ったシモン・アマン選手を始め、金メダルを獲得した選手の多くがすでにスイスに帰国しており、それぞれの出身地で大きな歓迎会が開かれた。26日にはアマン選手を400人のファンが空港に出迎えた。アマン選手はスイスインフォのインタビューに対し
「ラージヒルでは、これで勝てば歴史的瞬間となると思い、プレッシャーがかかった」
 と心中を明かすとともに
「あれほどパーフェクトなジャンプだと、ロケットが発射されたときのような感じですね。まさに飛んでいる感じ。無重力になり、空気と加速を感じるんです。体にとてつもなく大きなキックが加わって…。うわぉ!スキージャンパーなら誰でもこの瞬間にエキサイトしますよ」
 と興奮を伝えた。

 スイス代表団のヘッドコーチを務めたジャン・ジリ氏は、チューリヒの日刊新聞「ターゲス・アンツァイガー ( Tages Anzeiger ) 」のインタビューで
「6個の金メダルは極上の価値を持つし、これまでにない記録となった。スキークロスは例外だが、伝統あるすべての種目でメダルを取ることができ、実に素晴らしい。しかし、数としては目標を達成することができなかった。4位が6人、10位以内が27人とこれからの可能性は大きいが、それはオリンピックでは数えられない」
 とバンクーバーオリンピックでの成果を評した。

小山千早 ( こやまちはや ) 、swissinfo.ch

金メダル
– アルペンスキー男子大回転、カルロ・ヤンカ
– フリースタイルスキー男子スキークロス、ミハエル・シュミット
– スキージャンプ・ラージヒル個人、シモン・アマン
– クロスカントリースキー男子15kmフリー、ダリオ・コロニャ
– アルペンスキー男子滑降、ディディエ・デファゴ
– スキージャンプ・ノーマルヒル個人、シモン・アマン

銅メダル
– アルペンスキー男子スーパー複合、シルヴァン・ツルブリッゲン
– スノーボード女子スノーボードクロス、オリヴィア・ノプス
– カーリング男子

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