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ブリサーゴ諸島の魅惑的な植物園

ブリサーゴ諸島の植物庭園にある、かつてマックス・エムデンが居住していたヴィラ Parco botanico del Canton Ticino

マッジョーレ湖に浮かぶブリサーゴ諸島では、一面に咲き乱れる花や椰子の木が訪れる人々を魅了する。また、植物園60周年とスイス植物園週間に伴い、コンサートや写真展なども開催される。

このコンテンツは 2010/06/26 15:25

ティチーノ州にあり、スイスで唯一の島の植物園は今年で60周年を迎える。ここは土地特有の気候のおかげで、温室がなくても異国情緒溢れる亜熱帯植物が繁殖している。

冬のない植物園

マッジョーレ湖の真ん中に浮かぶ島に造られた植物園では、超現実的な世界が繰り広げられている。庭園には1700種類の亜熱帯植物が豊かに生い茂り、空の向こうには南アルプスが横たわる。

「荘厳なアルプスの山脈は北風を防ぐため、夏の間は湖が熱を溜め、冬は熱を放出するのです。そのため温度の変動が小さく、ブリサーゴ諸島では気温がマイナスになる日はほとんどありません」
と植物園責任者のグイドー・マスポリ氏は語る。

多くの人たちは、まるで異国にいるような気分にさせてくれる植物園を何度も繰り返し訪れる。
「船でこの島にたどり着くと日常を忘れることができ、静けさのオアシスに浸ることができるのです」
と夢中になって話すマスポリ氏は、ここを訪れる人たちに携帯電話の電源を切ることを勧めている。

入念な保護と手入れ

庭園を散歩すると、地中海、アメリカ、オーストラリア、南アフリカ、アジアなどさまざまな大陸の植物を目にすることができる。しかしこういった華やかな植物が育つのは、入念な植物選定と手入れがあってこそだ。庭園を管理する庭師には膨大な専門知識が要求されるとマスポリ氏は語る。

「庭をそのままにしておくとあっという間に植物が病気になったり、寄生虫がついたりします」
たびたび植物園の植物がキノコが繁殖したために駄目になってしまうことがあるが、彼はナラタケなどの植物にとって厄介な生物を庭師たちと退治しなければならない。

植物園ができるまで

ブリサーゴ島に浮かぶ、価値ある植物が繁殖する植物園には年間約10万人が訪れるが、今年は60周年を迎えるにあたり、さまざまな文化イベントが開催される。写真展「セントレジャーの庭園から植物園へ ( Von den Saint Leger zum Botanischen Garten )」では、1885年から庭園が一般にも公開されるようになる以前の1949年までの歴史を辿ることができる。

1885年にはリチャード、アントワネット・フレミング・セントレジャー夫妻がブリサーゴ諸島を買収した。当時はその土地の植物が一面にはびこっていたが、夫妻は島の家や原生林を手入れして亜熱帯植物園に変えていった。

第1次世界対戦後は多額の借金を抱えたアントワネット・セントレジャー夫人が島をドイツ系ユダヤ人の百貨店富豪、マックス・エムデンに売却した。その後、彼は新しいヴィラを島に建築し、それは今日もまだ残されている。

写真展では「本土」に住む貧しい住民の生活と島の所有者の贅沢な暮らしぶりの違いが目にとまる。

マスポリ氏は、植物園を作った男爵夫人と植物園の構造を維持し続けたマックス・エムデンの大きな功績を称えている。

音楽と詩

今ではティチーノ州に属すこの植物園は、定期的に芸術家を呼んだアントワネット・セントレジャー男爵夫人や芸術収集家であったマックス・エムデンの功績には及ばないが、植物園60周年を記念してさまざまな音楽会を開催する。

植物園週間では生物の多様性をテーマに、植物園を散策しながら文学を吟味する時間が設けられる。そこでは植物の世界にインスピレーションを受けた偉大な作家たちの詩が朗読される。
「ある人が名もない島に上陸した。彼は名もない植物を食べた後に、醜く変貌してしまった」と看板にある。しかし、このようなおとぎ話の中で魔法がかかったような美しい島のイメージは変わらない。

コリーヌ・ブクサー、swissinfo.ch
( 翻訳、白崎泰子 )

植物庭園週間

6月19~27日までスイスの22カ所の植物園では生物の多様性をテーマにしたさまざまなイベントが開催される。
この間には、展示会、ワークショップ、園内ガイド、コンサートや講演会など80以上のイベントが催される。

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ティチーノ州へ売却された植物園

今は亡きドイツ系ユダヤ人の百貨店富豪マックス・エムデンの相続人たちが1949年にティチーノ州、ならびにアスコーナ、ブリサーゴ、ロンコなどの自治体、スイス郷土保護局、自然保護協会 ( Pro Natura ) にブリサーゴ諸島を売却し、1950年には植物園が一般に公開された。
『百貨店王とティチーノの美女 ( Der Kaufhaus-König und die Schöne im Tessin )』のタイトルで、ブリサーゴ諸島最後の所有者、マックス・エムデンの伝記が出版された。フランチェスコ・ヴェルティ著作の本書では、大富豪の傍らにいた多くの若い女性たちの秘密も明らかになっている。

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