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プライベートバンキング

スイスのプライベートバンキング 特徴をどこまで生かせるのかが将来の発展を左右する Keystone

顧客のニーズにきめ細かいサービスをする、スイス銀行の十八番であるプライベートバンキング。顧客の情報に対する守秘義務は法律で定められていることの安心感も伴い、日本では新しくスイスの銀行に資産運用を任す富裕層の動きもある。

このコンテンツは 2003/11/21 15:41

このほど発表になった、スイスのプライベートバンキングの将来を占う会計事務所のプライスウォーターハウス・クーパーズ(PWC)の調査「プライベートバンキング2003年」では、競争が激化するため、顧客の立場に立った商品の開発と提供が益々必要となるという。

大手会計事務所PWCが10年前から、2年ごとに行っているプライベートバンキングの調査は今回、始めて欧米以外のアジアも調査対象とし、グローバル規模での結果を得た。

71%の投資機関が個人の富裕層や機関投資家の資産を運用するいわゆる、プライベートバンキング業務を拡大する方向にある。特に、5百万ドルから5千万ドル程度、日本円にしておよそ5億5千万円から55億円の運用を任せてくれる顧客にターゲットを置いている。PWCの計算では、3年後には顧問の2割増員が必要となり、今後は顧客獲得のほか専門家の取り合いが激しくなると言う。

プライベートバンキング業務は引き続き拡大するものの、そのスピードは鈍化。金融機関は13%の拡大を期待しているものの、有価証券投資額でみると欧州では来年3%増、北米で8%増、アジアでは10%程度の見込み。3年後の伸びは各地域で6%増となると見られ、特にスイスは来年は1%減で3年後は5%に満たないと、他地域に比べるとやや劣ると見込まれる。

スイスの銀行の底力

スイスは今年はスイスの銀行が得意とする、プライベートバンキング。個人客の資産の運用額は、UBS銀行が7千億フラン(およそ56兆円)、クレディ・スイスが4千5百億フラン(36兆円)と言われ、世界の個人客の運用額で見るとスイス大手銀行が1位と2位を占め、アングロサクソン系はその後に続く。また、調査で有名ブランドとして世界の銀行が挙げたトップ3の銀行のうち2行がスイスの銀行だった。

スイスには18世紀からの伝統を誇るプライベートバンカーといわれる金融機関は15行ある。その他、大手銀行、外国資本の金融機関などが、個人および企業年金などの運用を専門にするプライベートバンキング業務を行っている。5年程前からは、地方に根ざしリーテル専門だった、州銀行の参加の動きもある中、今後は銀行間の競争が激しくなるという見込みである。

PWCのパートナー、ロルフ・ビーラー氏は
「顧客数は限られている。新しく顧客を取得することは、他行の顧客を奪うこと。顧客に目を向けたサービスがないと難しい」
と、商品の特化が必要だと指摘した。生き残れるのは、グローバルに業務を行う大手かニッチを狙う小さい銀行。その他は、このどちらかにシフトしてゆくという。

スイスの銀行は、きめ細かい顧客サービスが売り物。たとえば、イタリアの脱税恩赦措置でイタリア資金は一旦引き上げられたが、再びスイスに戻って来たのは質の高いサービスが理由と分析されている。現状に甘えることなく変化する顧客のニーズを常に分析し続け、競争が劇化するという危機感を実感することが必要とビューラー氏は見ている。

日本市場はターゲット

スイスの大手銀行には日本の顧客の担当者を置いて、開拓されていない富裕層の多い日本市場に力を入れている。拓銀、山一の倒産などで本来の国内の銀行に対する不信感が高まった時に、外国の金融機関に目が向けられた。
スイスの銀行の特徴の一つは顧客情報の守秘義務。法律で定められている。UBS銀行のサビネ・ヴェスナー広報担当は、
「個人のプライベートな情報や自由を守るのはスイスの文化」
とEUからの守秘義務の撤廃の圧力に対しては、全力を挙げて阻止する方針を明らかにした。

同僚にも一切顧客のことは漏らさないという口の堅い担当者が、10年以上も続けて面倒を見てくれるスイスのプライベートバンキング。家族のライフプランニング、子どもの進学の相談から、引越しの手伝いまでする。顧客の信頼を得るスイスのスタイルは、日本人のニーズに合っている。
「伝統が物をいい、収益に関してはある程度の余裕があることで、(いままで日本の銀行に冷遇されてきた)顧客も安心する」
と大手の投資顧問の日本市場の担当者は、スイスのメリットを語った。

スイス国際放送 佐藤夕美 (さとうゆうみ)

キーワード

71%の投資機関がプライベートバンキング業務を拡大する方向にある。

金融機関のターゲットを達成させるためには3年後には顧問の2割増員が必要。

来年の伸びの予想
有価証券投資額でみると欧州では来年3%増、北米で8%増、アジアでは10%程度の見込み。

3年後は
3年後の伸びは各地域で6%増の見込み。

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