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プレゼントを持ってくるのは誰?

「パパ、クリストキントリはどうして私の欲しいものが分かったのかしら.........」

(Keystone)

クリスマスイブの夜、プレゼントを持って来るのは、サンタクロースだと世界の半分以上の人が思っている。

けれどここスイスでは、国民の八割が「いや、プレゼントを持って来るのは子供のキリストだ」と答える。

 そもそも、キリスト教徒にとって、キリストの誕生こそが最大の贈り物。人類を救うために誕生したからである。だからクリスマスのプレゼントは「子供のキリスト」の象徴なのだ。けれど、ややこしいことに、スイスドイツ語圏、イタリア語圏、ロマンシュ語圏では、それを持ってくるのも子供のキリストなのだ。空を飛んでプレゼントを運ぶ子供のキリストは天使のようなイメージ。子供のキリストはドイツ語でクリストキントリ( Christkindli ) 、イタリア語では「ジェズ・バンビーノ( Jesu Bambino )」、 そしてロマンシュ語では天使そのもの に変わって「クリスマスの天使、アンゲル・ダ・ナダ ( Anguel da Nadal )」 という。

ドイツ語圏のクリストキントリ

 「我が家では、24日の夜は忙しいのです。まず簡単にサーモンなどを食べてから子供を寝かせます。ちゃんと寝たのを確認して、10時頃から主人とクリスマスツリーの飾りつけをし、プレゼントを木の下に並べ、ツリーにつけたろうそくに火をともし、天使の長い髪をツリーに引っ掛け、小さなベルを鳴らし、クリストキントリが来たよと言いながら子供を起こします」とドイツ語圏ザンクトガレン州のクリスティーネ・スピリグさん。

 半分夢うつつの子供はろうそくの光と飾りに、一瞬にして特別な世界に入り込む。やはり今年もクリストキントリは空を飛んでプレゼントを運んで来たのだ。そしてプレゼントを開けた後、再び夢うつつのままベットに戻る。

 「24日の夜は、いつも父と親戚をたずねるか、散歩に出ました。そうしないとクリストキントリがこないと信じていました。その間、母が急いでツリーの飾りつけとプレゼントを用意するのです。帰ったら、先に夕食を食べるかプレゼントを開けるかが毎年、大問題になりました」とベルンのクリストフ・バジリガーさんは子供の頃を懐かしむ。

 ドイツ語圏では、どこでも24日の夕方まで、ツリーは裸のままで、飾りつけもプレゼントもクリストキントリが運んでくる。けれど24日のいつ頃クリストキントリが来るのかは地域や家族で違っているようだ。

 ところで、ヨーロッパでみると、オーストリアとドイツが同じ習慣をもっており、やはりこのクリストキント ( ドイツのドイツ語ではChristkind ) がプレゼントを運んでくる。 

ドイツ語圏以外

 「イタリアではサンタ・クロースが贈り物を持って来ますが、スイスのイタリア語圏ティチーノ州では、ジェズ・バンビーノ ( 子供のキリスト ) が持ってくるのです。25日の朝起きると、贈り物とツリーの飾りが待っていました」とイタリアとの国境の町、キアッソ ( Chiasso ) に住むステファノ・ヴァレンティさん。

 「子供の時、24日の夜、寝る前に居間の窓をちゃんと開けておいたか確認して寝ていました。だってアンゲル・ダ・ナダル ( クリスマスの天使 ) が入って来れないと困るでしょう」と今はジュネーブに住む、ロマンシュ語圏のグラウビュンデン州出身のラディナ・ガウデンツさん。

 こうしてみると、赤い服のサンタがプレゼントを運んでくるのは、フランス語圏のみ、つまりスイスの20%にしかすぎない。ではなぜフランス語圏のみサンタが来るのか?

 かつてイタリアでは1月6日に、ベファナという、ほう木に乗った魔法使いが飴などを暖炉に吊るしたソックスに入れていった。そして、12月24日には何ももらえなかったという。フランスもアルザスやロレーヌ地方では、12月6日に、サン・ニコラがみかんなどをくれるだけだった。ところが今は、アメリカからやって来たサンタクロースがイタリアもフランスも「制覇」してしまったのだ。サンタの赤と白の服はコカコーラ社が宣伝用に生み出したという噂もあるぐらいだ。

 フランス語圏はフランスの「新しい」習慣をそのまま受け入れ、イタリア語圏はイタリアの「新しい」習慣を拒否してドイツ語圏の習慣に従い、ロマンシュ語圏もドイツ語圏の影響を受け入れたということだろうか。ヨーロッパでみると、「伝統を守り続ける」のはドイツ、オーストリア、そしてスイスの大半ということになりそうである。

 さて、24日の夜や25日のクリスマスの日、スイスでは何を食べるのか?ドイツ語圏ではこれといった定番のメニューはない。ウサギの肉、鳥肉、七面鳥など家庭によって様々。イタリア語圏では魚を食べるのが一般的。フランス語圏はフランス食文化の影響で、生がきや、フォワグラはもちろん、魚や羊肉、それにシャポンという去勢した雄の鶏なども食べる。でも、デザートにはスイス全域で早くからクッキーを焼くし、フランス語圏のデザートだけは薪の形のクリームのいっぱいついたロールケーキ「ブィシュ・ドゥ・ノエル( bûche de Noël ) 」に毎年決まっている。

swissinfo、 里信邦子 ( さとのぶ くにこ )

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