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ヘルツォーク&ド・ムーロン 漫画にチャレンジ

北京オリンピックスタジアム、通称「鳥の巣」の設計者ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロン両氏が漫画を制作した。

このコンテンツは 2009/09/07 15:26

といっても、ロボットが登場するような漫画ではない。「バーゼル、ヨーロッパ主要地域の1モデル」と題されたこの本は、バーゼル市の都市計画書だ。

登場人物の素朴な質問

「バーゼル市はその都市圏の広がりを拡大して捉えると、ドイツ、フランス、スイスの3カ国にまたがる都市。この意味で、バーゼルの都市計画は世界のほかの都市の計画をもカバーする、ある種の実験をしているようなところがある」
と、マヌエル・ヘルツ 氏は言う。ヘルツ氏はヘルツォーク&ド・ムーロン両氏と共に、現代の都市計画を探る「ETHスタジオ・バーゼル ( ETH Studio Basel ) 」のメンバーであり、今回の漫画の共同執筆者だ。

しかし、なぜ漫画にしたのかとの質問に、
「スタジオ・バーゼルで研究したことをできるだけ多くの人に知ってもらいたかった。初めは映画製作を考え、イラストつきのシナリオを制作したが、そのうちに漫画でいいのではということになった」
とヘルツ氏は答える。

そこで、漫画の登場人物を探すうち、ゴダール監督のフランス映画「勝手にしやがれ」のジャン・ポール・ベルモンドとジーン・セバーグに白羽の矢が立った。ベルモンドが扮するミッシェルとセバーグが扮するパトリシアの2人が、映画を基にイラスト化され、バーゼル市を訪れながら色々な感想を述べまた質問を発する。

「登場人物には、素朴な質問をしたり、時には無作法な態度で批判したりする役割を望んでいた。それにはベルモンド扮するミッシェルは適役だった」
とヘルツ氏は語る。その上映画「勝手にしやがれ」自体、都市を新しい観点から切り取って表現するという側面を持っているという。

「おお、本当に感動してしまう。3カ国にまたがる都市の計画とは、何て面白いのだろう」とミッシェルが語るとき、読者は彼に感情移入しながら、この特殊な都市の計画に魅了されていく。

都市の縫い合わせ

漫画のスタートは、バーゼルというライン川にある都市を歴史的に紐解き、この都市がヨーロッパ文化で果たしてきた重要な役割について触れている。次いで、ミッシェルとパトリシアのカップルが6つのテーマを毎日1つずつ1週間かけ、検討していくように構成されている。6つのテーマとは、住居、仕事、移動、ショッピング、教育、余暇活動、娯楽だ。

こうした構成の中で注意を引くのが、都市計画の具体的なアイデアだ。現在あるバーゼル市に入るための数本ある幹線道路を1つにまとめ、その結果余る土地を住居区に充てる。もう1つのアイデアは1932年に整備された中央墓地は住居区として最適な場所にあるので再整備するといった提案だ。

また、「都市の縫い合わせ」という深く考察された理論も登場する。これは道路などの交通幹線で分断された都市のさまざまな部分を再び「縫い合わせる」という考えだ。

文化的側面では、ヘルツォーク&ド・ムーロン本人が設計した、風変りな美術館「シャウラーガー ( Schaulager / 展示倉庫)」の在り方にも触れている。これは、美術品収集家エマヌエル・ホフマン氏の所蔵品を収納する倉庫で、特別展の時に限り一般公開され、専門家は予約で作品を観ることのできる場所だ。

そのほかこの都市計画の「漫画」には、ライン川沿いに構想される高層ビル群、2国間にまたがるセントラルパーク、新しいオペラ座、イスラム寺院などなど、新しいプロジェクトが盛りだくさんだ。

「バーゼル、ヨーロッパ主要地域の1モデル」は発刊後直ちに仏語、英語に翻訳され、数カ月後には中国語版が出る。値段がわずか12から15フラン ( 約1000円から1300円 ) というのも魅力で、ドイツ語圏ではベストセラーの1つになっている。

アリアンヌ・ジゴン、swissinfo.ch
( 仏語からの翻訳、里信邦子)

漫画「バーゼル、ヨーロッパ主要地域の1モデル」

北京オリンピックスタジアム、通称「鳥の巣」の設計者コンビ、ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロン、そしてマヌエル・ヘルツ氏の3人が出版した。

303ページの本は「ETHスタジオ・バーゼル ( ETH Studio Basel ) 」によって編集された。出版後直ちに仏語、英語に翻訳され、数カ月後には中国語版が出る予定。

「バーゼルは、フランス、ドイツ、に接する地域であるため、文化的に特殊な性格を持つ。そのため都市のアイデンティティーを探求している」と前置きに書かれているように、この漫画はETHスタジオ・バーゼルが研究してきた、バーゼルのさまざまな都市計画を統合するもの。以下の6つのテーマから構成される。住居、仕事、移動、ショッピング、教育、余暇活動、娯楽。

「バーゼルは、現在ほかの世界の都市がいかに発展していくべきかを示すモデルを提供している。今回こうした漫画作品で示された研究には、知的財産権はない。恐らく多くの都市計画者がこの本から ( ただで ) 多くのインスピレーションを受けるだろ。それは、それでうれしいことだ」と、ヘルツ氏は言う。

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