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ホメオパシー 代替医療を問う

チューリヒのホメオパシー製薬所。ホメオパシーはもとの成分を水や酒精でどんどん薄めていき、薄めれば、薄めるほど効果が高いといわれている

(Keystone)

漢方、薬草治療、ホメオパシーなど5つの代替医療を健康保険がカバーするか否かを国民投票にかけることになった。

代替医療の中でも主流を成す、ホメオパシーの効用の研究を任された「ベルン大学社会、予防医学科」の医師、マティアス・エゲール氏が質問に応じてくれた。

 昨年、内務省 ( EDI/DFE ) は一時的に健康保険がカバーしていた5つの代替医療を、健康保険法に定められた、効用性、コストと効果のバランスなどの観点から、今後支払わないことを決めた。これに対し、代替医療の主流を成すホメオパシーの支持者はただちに、国民投票にかけるよう運動を始め、イニシアチブ ( 国民の発議 ) に必要な10万人の署名を2005年9月には集め終えた。投票は2009年に予定されている。

プラシーボと同じ

 400人のメンバーから成る「スイス・ホメオパシー協会」によると、およそ20パーセントの国民がホメオパシーを常用しており、また他の調査によると、80パーセントの国民がこれを一度は使ったことがあるという。

 しかし、医学雑誌ランセット ( Lancet ) に掲載された、今までで一番深くホメオパシーを研究したエゲール氏の記事によると、ホメオパシーは偽薬 ( プラシーボ、placebo ) と似たようなものだという。

 プラシーボとは、人に対してほとんど薬理的影響のないブドウ糖などでできた偽物の薬のこと。それを効果がある本物の薬と信じて飲むことで患者に改善がみられることを偽薬効果 ( ぎやくこうか ) という。ホメオパシーはそれに似ているというのだ。

 「効果がないと言っているのではありません。しかし、効果は白いホメオパシーの粒のせいでは恐らくないということです」とエゲール氏。「ホメオパシーを支持している人は、医者とおしゃべりできるのがうれしいのです。ホメオパシーの医者は、5分の診療で処方箋を書く普通の医者と違い、対話に多くの時間をかけますからね」

本当の危険性

 ところで、ホメオパシーの薬は基本的に危険ではない。ただし、ベルギーでやせるためのホメオパシーの薬の処方のまちがいで、少なくとも70人が、腎臓移植や腎臓透析を行ったという事実は例外としてあるが。

 ホメオパシー治療の本当の危険は、こうした治療に頼っていて、患者が普通の医者にかからないことである。

 「肺炎にかかっているのに、数週間に渡ってホメオパシーの治療を受けていた子供がいました。結局、肺から膿を取り出す緊急処置をうけたのです。こうした場合は初期から抗生物質を与えるべきだったのです」とエゲール氏。

 しかし、このエゲール氏も国民投票に関しては、スイス人の典型的な態度、外交的で民主的なそれを崩さない。「ホメオパシーを支持する人を尊重しています。しかし問題はホメオパシー治療を大多数が望まないと結論した場合、それでも保険が支払うか否かです」

 また、「私は個人的には、反対票を投じます。しかしスイスの大多数の人がホメオパシー治療や他の代替医療が保険でカバーされることを望むなら、それを喜んで受け入れたいと思っています」

swissinfo、トマス・ステファンス 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 意訳

補足情報

1999年: 連邦内務省 ( EDI/DFE ) は5つの代替医療、ホメオパシー、薬草療法、神経療法、アントロポゾフィー医学、漢方を一時的に健康保険がカバーすることを決めた。

2004年9月: 代替医療を支持する人たちが、こうした医療が健康保険で完全にカバーされるように、国民投票を目指して署名を集め始めた。

2005年6月: 内務省は健康保険がカバーしていた5つの代替医療を、健康保険法に定められた、効用性、コストと効果のバランスなどの観点から、今後支払わないことを決めた。

2005年9月: 支持者たちは国民投票にかけるイニシアチブ ( 国民の発議 ) に必要な10万人の署名を集め終えた。

2006年8月: 政府はこの提案に反対の意思を表明した。連邦議会はいまこの提案を検討中である。国民投票は2009年の終わりまでには実施される予定。。

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キーワード

スイスの健康費用は2004年に517億フラン( 約5兆円 ) であった 。

これは国内総生産 ( GDP ) の11.5%にあたる。

米国だけがそれ以上にあたる、国内総生産の15%を使っている。

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ホメオパシー

ホメオパシーとは、患者の病気の症状と似た症状を起こさせる植物、動物、鉱物などをごく僅か投入することで、体の治癒力を高め、病気そのものを体から追い出していくというもの。

ドイツ人の医師サミュエル・ハーネマン ( 1755−1843 ) が創始者。同上の成分からなる小さな粒を服用するのだが、その患者の性格、体質を知ることはその患者のエネルギーのあり方を知る上で非常に大切。

そのため、初めての診療には1時間ぐらいかけて性格的なものを聞いていく。いわば、「症状の全体像」を描いていくわけである。また、その後の診療でも、対話は大切な要素である。

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