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ヨーロッパアルプスの最高峰モンブランの世界遺産外部リンク登録を目指し、スイス、フランス、イタリアの3カ国が24日、申請に向けた「第一歩」としての共同宣言に調印した。
フランスのシャモニーで行われた3カ国協議には、地元自治体や各国政府代表者らが出席。協議体が発表した声明外部リンクによれば、共同宣言は「モンブラン山塊の世界遺産登録に向け、共同で手続きを開始するのに必要な準備段階」で、モンブランの「保存と発展の保護」が目的とした。
シャモニー側の代表者キャサリン・ベルセ氏は「青信号が灯った」と話す。同氏によれば、申請に向けた作業は2018年前半を予定しているが、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の審査が終わるまでには「5~10年かかる」見込み。
シャモニーのエリック・フルニエ町長は「美しい冒険が私たちを待っている。そして私たちの強い熱意に応え、人間と世界のかかわりに革新的なビジョンをもたらす新しい発展モデル作りに、国境を越えて関わってくれる全ての人たちへ感謝の意を表したい」と述べた。
モンブランはフランス、イタリア、スイス南部ヴァレー州にまたがる山で、標高は西ヨーロッパで最も高い4808メートル。現在世界遺産に登録されている場所は1073カ所あり、スイスではラヴォー地区のブドウ畑、ベルンの旧市街、ユングフラウ~アレッチ氷河地域など12カ所。
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スイスとル・コルビュジエの「遠い」関係
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トルコ・イスタンブールで開催されているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会で17日、東京・上野の国立西洋美術館を含む「ル・コルビュジエの建築作品」が世界文化遺産に登録されると決まった。偉大なアーティストとして世界的に有名なル・コルビュジエだが、出身地のスイスではその名が認められるまで長く時間が掛かった。スイスとル・コルビュジエの関係はどのようなものだったのか。
今日、ル・コルビュジエは国際的に影響を与えたアーティスト、建築家、デザイナーとしてスイス国内でもよく知られる存在だ。現在スイスで発行されている10フラン紙幣には、飾り気の無い黒縁メガネをおでこに上げたル・コルビュジエの肖像が描かれている。
しかし、スイスがル・コルビュジエを20世紀の偉大なアーティストであると認めるまでには、とても長い時間が掛かった。ル・コルビュジエ生誕125周年でスイスインフォが2012年に行った取材に対し、アーティスト・デュオのプロンク&レプロンクは「スイスはアーティストが他の国で有名になってから初めて、その人物を認める」(レプロンク)と語っている。
ル・コルビュジエに関する著書がある作家のニコラ・ヴェルダン氏もこう話す。「スイスは、当時すでに有名だったこの建築家のことを、長い間認めようとはしなかった。だから彼もスイスのことを認めなかった」
ル・コルビュジエのそのような姿勢は、回想録やプライベートで残したメモ書きからもわかるという。「ル・コルビュジエはよく『スイス』を批判や失望の言葉と共に語った。彼の不満はジュネーブの国連欧州本部がある『パレ・デ・ナシオン』の建築プロジェクトが拒否されてからさらに強くなった」(ヴェルダン氏)
ヴェルダン氏はそんなル・コルビュジエを「ミステリアスで謎の多い」人物と表現している。
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