「できすぎだ!」アマン単独インタビュー
ソルトレークシティー五輪ジャンプで2つの金メダルを獲得したシモン・アマンに、swissinfoが単独インタビューした。
13日夜の表彰式に出席するためユタ・オリンピックパークに向かう車中で、アマン選手はswissinfoのインタビューに答えた。「できすぎです。」とアマンは笑った。「大きな大会でいいジャンプをするのは夢だった。が、メダルを独占して、皆が僕を祝福してくれて、これはできすぎとしか言い様がない。まだ信じられません。」。1月練習中の転倒で脳しんとうとむち打ちを起し、顔にも数カ所ケガをしたアマン。172cm、53kgと小柄だが、今大会での快挙は彼の技術と不屈の精神に加え、謙虚さに負うところも大きいようだ。ノーマルヒルで金を取った後も、2つめの金については予想もできないと言っていた。「2つめの金なんて、全然考えもしなかった。ラージヒルは好きなので、きっとまたいい結果を出せるとは思っていた。が、金を取るなんてことは思いもよらなかった。考えただけで気がへんになってしまう。」。
華奢で丸い眼鏡をかけたアマンが飛ぶ姿は、ハリー・ポッターを彷彿させる。ソルトレークシティーのスポーツ記者らはアマンのジャンプを「マジカル」と表現する。が、当のアマンは「ハリー・ポッターは本を読んだこともないし映画も見ていない。ハリー・ポッターは飛び回っているんでしょうね。僕も飛べますよ。でも僕はハリー・ポッターじゃない。僕は僕だ。ま、似たところもあるのでしょうから、いいけど。」と言った。
アマンの2度の快挙で、スイスでは来週の団体戦への期待が急に高まった。アマンの故郷、スイス東部ToggenburgのUnterwasser村では、13日夜村民800人が村のヒーローの快挙に沸いた。「チームでお祝する予定だけど、そんなに騒ぐつもりはない。Toggenburgでも、あまり騒がないでもらいたい。ツキが逃げた時に責任を負えなくなるから。」と、アマンは冷静に語った。2月24日アマンが故郷に凱旋するまでに、Toggenburgでの盛大な祝勝会は終っていてほしいと本人は言うが、そんなことは期待するだけヤボだろう。

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