スイスでも放射能検出
日本の原発事故から2週間近くがたち、スイスでも地上近くで普段よりわずかに高い値の放射線が検出された。
3月30日に連邦内務省保健局 ( BAG/OFSP ) が発表したところによると、これは人体に影響が出る量ではない。
海草を検査
ジュネーブで160マイクロベクレル、アールガウ州クリングナウ ( Klingnau ) で80マイクロベクレルが測定された。確認されたのはヨード131、セシウム137、セシウム134で、保健局放射線防護課長ヴェルナー・ツェラー氏は、この値は人体に影響を与えるものではないと言う。
空軍の航空機を使用した測定も続けられている。これまでの最高値は1立方メートル当たり230マイクロベクレルで、1立方メートル当たり300万マイクロベクレル ( 3ベクレル ) と定められている基準値を1万倍下回る値。チェルノブイリ事故の際、スイスの地上近くでは5ベクレルが検出された。
ツェラー氏によると、スイスよりも北に位置する国々で高めの値が測定されている。ただし、人体への影響はないという。また保健局は同日、日本から輸入される食品の検査を強化すると発表。約2週間前に国境での検査強化をすでに指示している。
保健局食品安全課長ミヒャエル・ベーア氏によると、29日に初めて検査の対象となる食品の一つ、海草がスイスに持ち込まれた。しかし、分析結果は30日の時点ではまだ明らかになっていない。
新政令発効
今日31日には、輸入日本食品の取り扱いを定める新しい政令が二つ発効した。日本政府は今後、放射能に汚染されていないことを認める証明書を商品に添付するよう求められる。また産地により、基準値を上回っていないことを証明する分析報告の添付も求められる。これらの申告は無作為抽出で検査される予定だ。
これらの規制は欧州連合 ( EU ) と足並みをそろえたものだが、ベーア氏はEUの基準値について
「スイスとは異なり、EUでは最高値を定めていない。必要なケースが現れたときに公布する。しかし、EUが基準値を引き上げたということはない」
と説明する。スイスでは90年前に基準値が定められている。
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