スイス、ポルトガルに勝つ
スイスチームにとってEURO2008最後の試合となった6月15日、バーゼルのサンクト・ヤコブ・パークで行われた対ポルトガル戦ではスイスが好戦し、2対0でスイスが勝利した。
しかし対チェコ、対トルコ戦で負けたスイスは、決勝戦には進めない。試合前から勝負の結果よりも、1点でもスイスがゴールを決めれば、引退するヤコブ・クーン監督への「プレゼント」であると言われていただけに、強豪ポルトガルに1点も許さなかったスイスチームが勝利し、ホスト国としての面目を保った。
歴史の1ページを綴る
ポルトガルはこの試合結果に今後が左右されないこともあり、スターのロナルドはベンチに残り、予備軍的存在の選手を多く投入した。一方、スイスはディエゴ・ベナーリオの代わりにベテランのゴールキーバー、パスカル・ツーバービューラー ( 37歳 ) を抜擢した。
前半10分まで、スイスはポルトガルと互角に戦ったが、ボールがポルトガルに支配されると無駄なパスが無く、動きがやや活発になる。特に29分にベラミ選手がけがで一時フィールドを離れてからは、ポルトガル優勢のゲーム運びとなった。
スイスは試合開始15分、22分、25分、28分とコーナーキックが続くが、なかなかゴールに結びつかない。後半体力が続かず敵にゴールを許してきたスイスとすると、早めのゴールが欲しいところ。スイスのゴールキーパー、パスカル・ツーバービューラーはポルトガルのシュートをがっちりと止め、チームの危機を何度か救った。また35分のポルトガルによるシュートがオフサイトで無効になったのは、スイスにとって幸運だった。
後半には両チームがそれぞれゴールのチャンスがあったものの、得点するまでにはいかない。60分でバルネッタ選手が投入されてから、スイスチームの動きは活発になり、試合開始後70分でハカン・ヤキンがついに先制点を決めた。12分後にはペナルティで再びヤキンがゴールを決め、試合終了までポルトガルは多くあったチャンスを物にすることはなかった。
試合後、スイスチームの監督を引退するクーン氏は共同インタビューに答え
「スイスチームは立派だった。対チェコ、対トルコ戦では1点取れるはずの試合だった。監督としての7年間、サッカーだけではなく選手とは結ばれ、尊敬しあっていた」
と語った。また、ゴールキーバーのツーバービューラー選手も国際試合はこれが最後。
「スイスサッカー史の1ページを飾る試合になると ( 以前 ) 言った通りだ。対ポルトガルで1点も許さなかったことは誇りだ」
と語った。
swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )
グループA
ポルトガル6点
トルコ6点
スイス3点
チェコ3点
EURO2008では早々に退場してしまったスイスチームだが、ヤコブ・クーン監督はもっともスイスチームに成功をもたらした監督である。
これまで戦った73試合のうち、勝利は32回、引き分け18回で、敗戦は23回の成績を残した。また、7年間監督を続けたのもスイスサッカー史上彼を越す人はいない。
もっとも評価される功績は、ポルトガルで行われたEURO2004への出場とドイツで行われた2006年の世界選手権にチームを導いたことだ。
EURO2008にでスイスチームが2敗1勝となったのはクーン監督にとって最悪の成績でもある。
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