失意の冬
3月6日、ノルディックスキー世界選手権が幕を閉じた。これより先に終了したアルペンスキー世界選手権同様、好成績を期待してノルウェーのオスロに乗り込んだスイス勢だが、メダル獲得数はわずか1個に終わった。
メダルを取ったのはジャンプのシモン・アマン。3月3日のラージヒルで銅メダルに手が届いた。
8位から表彰台へ
アマンの1回目のジャンプは129.5メートルで8位。2回目に134.5メートルまで飛行距離を伸ばし総合3位に追い上げた。ノーマルヒルでは4位だった。
アマンは過去、オリンピックで2回ダブル優勝を果たすという前代未聞の快挙を成し遂げている。6日のスイス国営テレビ、ドイツ語放送のスポーツ番組では、アルペンスキー世界選手権でもカントリースキーでも成績が振るわなかったことから、このメダルの価値は相当なものではないかという問いかけに対し、次のように答えた。
「アルペン世界選手権の後、少し空白ができていると感じたので野心が頭をもたげた。でもその反面、今回の世界選手権は自分にとっても難しい大会だった。ホルメンコーレン ( Holmenkollen ) では3回勝っているし、メダルを取ることは重要だった」
複数のメダル獲得を期待されていた選手にはクロスカントリーのダリオ・コローニャもいる。コローニャは今年のツール・ド・スキーを2年ぶりに制覇し、世界選手権には15キロメートル、50キロメートルなど5種目に出場。しかし、高湿雪に悩まされ、またコローニャ自身も理想的なコンディションが得られなかったことから、メダルにはまったく手が届かなかった。
アルペンも不調
また、2月にドイツのガルミッシュ・パルテンキルヒェン ( Garmisch-Partenkirchen ) で開催されたアルペンスキー世界選手権でも、スイス勢は精彩を欠いた。目標はメダル4個とも6個とも言われていたが、大会終了時にスイスが手にしたメダルはやはり1個のみ。ディディエ・キュシュが滑降で獲得した銀メダルだ。
W杯では比較的好調だったカルロ・ヤンカは大会中、心臓の不調を訴えて一時帰国。数日間自宅療養したあとレースに戻ったが、結果は出なかった。ヤンカは心拍リズムが定まらない不整脈を病んでおり、シーズン終了後に手術を受けることになっていた。しかし、症状が悪化したため、手術は2月23日に繰り上げられた。
それからわずか10日後の3月6日、スロベニアのクランスカ・ゴーラ ( Kranjska Gora ) で開かれたワールドカップ ( W杯 ) の大回転で、ヤンカは見事優勝。同競技では4回目、W杯では9回目の優勝だ。スイススキー協会 ( Swiss Ski ) の担当医クリスティアン・シュレーゲル氏によると、ヤンカの脈拍数の戻り具合は世界選手権時に比べると良くなっているが、シーズン終了後にはより専門的な検査が必要だという。
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