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ロイタルト経済相、WTO交渉決裂に落胆

「少ない国家援助で生き延びるすべを考えなくてはならない」と語るドリス・ロイタルト経済相 Keystone

9日間にわたってジュネーブで続けられていた世界貿易機関の貿易自由化をめぐる交渉は、7月29日夜、成果を得られないまま決裂した。

このコンテンツは 2008/07/30 10:34

貧しい農家を保護するための関税についてアメリカとインドが対立し、両者とも最後まで歩み寄りの姿勢を見せなかったためだ。

先進国と新興国の対立

世界貿易機関 ( WTO ) が2001年に開始した多角的通商交渉 ( ドーハ・ラウンド ) の目的は貿易の障壁を取り除くことだ。今回のジュネーブでの会合には153カ国・地域から交渉代表団が集まった。

25日金曜日には主要7カ国 ( EU、アメリカ、インド、中国、ブラジル、日本、オーストラリア ) が合意を目指して妥協案を準備。しかし、農産物の輸入の急激な増加や価格の暴落時に適用される保護対策 ( セーフガード ) について、インドなどの新興国とアメリカの間で合意に至ることができなかった。

またもや頓挫した交渉に各関係者は落胆を隠せない。スイスの代表として会合に臨んだドリス・ロイタルト経済相も29日夜、
「非常に残念だ」
と述べ、
「だが、今は本当にこれ以上は無理な様子。議論を続ける目的はもうなくなった。妥協する環境を作るのは難しい」
と続けた。

新興国が要求するセーフガードの発動条件は先進国にとっては低すぎ、アメリカはこれを「保護主義」になると批判。イタリアやフランスからも不満の声が出た。だが、ロイタルト経済相は合意まであともう少しだったと残念がる。
「25の案件のうち23までは合意に至った。それなのに、2つの副次的な問題で議論が決裂してしまうとは。今はもう待つしかないが、何かが動き出す気配もなくはない」

アメリカは今年末、大統領選を控えている。また、現在の欧州委員会の任期も2009年末で切れるため、この先2~3年は交渉が凍結される可能性が大きいと見る向きもある。

喜ぶ農家、残念がる経済界

WTO交渉の決裂について、スイス経済界の上部組織「エコノミースイス ( economiesuisse ) 」は「チャンスを逃した」と落胆した様子を見せると同時に、現在進行中の2国間自由貿易交渉を早急に進めるべきだと主張した。

一方、スイス農業・酪農家協会 ( SBV/USP ) は胸をなで下ろしている。ハンスイェルク・ヴァルター会長は、
「世界中の農家にとってこのドーハ・ラウンドは容認できないもの。われわれの方から何か新しい提案を行うべきかどうか検討しているところだ。WTOに今回の中断をうまく活用してもらいたい」
と述べた。

これに対しロイタルト経済相は、
「長期的な視野も持たなければならない。農家は国の援助を当てにせず、新しいアイデアを求め、品質の高い生産物を開発しなければならない」
と発言した。

swissinfo、外電

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