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ローザンヌで羽を広げるバレエダンサー

ローザンヌ国際バレエコンクール準決勝 日本人は2人が決勝へ

Prix de Lausanne 2018 / Demie-finale
準決勝の結果発表。 森脇崇行さん(左から3番目) Caroline Minjolle / www.minjollefoto.ch
準決勝でコッペリアを踊る森脇崇行さん
コッペリアを踊る森脇崇行さん Caroline Minjolle / www.minjollefoto.ch

スイス西部ローザンヌで2日、第46回国際バレエコンクールの準決勝が行われ、明日の決勝に進出する21人が選出された。日本人は、大木愛菜さん(17)と森脇崇行さん(15)が決勝に出場する。結果発表直後にファイナリスト数人に感想を聞いた。  

 小池バレエスタジオに所属する広島県出身の森脇さんは、クラシック・バリエーションではコッペリア第3幕のフランツをはつらつと表現。「クラシックでは、肩の力を抜いて楽しく踊るように心がけた」と話す。ただ、自己評価は、「まあまあ。レッスンで足の動きを注意されたので、欲を言えば、もうちょっと上手くできたのではないかと思う」と語る。

 同じく広島県出身の大木さんは、4歳からバレエをはじめ、小池バレエスタジオに通い、現在はドイツのジョン・クランコ・スクールに留学する。クラシック・バリエーションではライモンドを、コンテンポラリーではタッチ・フィール・センスを披露。「落ち着いてできた」と振り返る。そして、「とにかく慌てないようにしている」という。

準決勝で、マリウス・プティパ振付のライモンドを踊る大木愛菜さん。
準決勝で、マリウス・プティパ振付のライモンドを踊る大木愛菜さん。 Caroline Minjolle / www.minjollefoto.ch

 ブラジル出身のキャロリン・ガルバオさん(17)は、コンクールに参加するのは今回が2回目。「クラシックのレッスンでは腕のエカルテを注意され、上方へ開くようにと気をつけた。コンテンポラリーでは、息継ぎを大きくしてリラックスするように指摘され、気をつけて踊ったのが良かったと思う」と言う。

 現在、バーゼル劇場バレエ学校に在籍するベルギー出身のルーカス・バレマンさん(18)はバランス感覚と身体の優美な線が求められるラ・バヤデールを披露。「今日はとても緊張したけど、舞台では楽しく踊れた。決勝に残れてとても嬉しい。学校のたくさんの友達も会場に応援に来てくれて嬉しい」と笑顔いっぱいで話した。


決勝出場者リスト 

PARK Hanna  韓国15歳
YANG Irene カナダ 15歳
TENG Ronger 中国 16歳
MISSELDINE Chloe 米国 16歳
GUO Wenjin 中国 16歳
GELFER-MÜNDL Aviva 米国 16歳
CARMECI Finnian 米国 15歳
森脇 崇行 日本 15歳
YERG Makani 米国 16歳
LEE Junsu 韓国 16歳
SNYDER Eric 米国 16歳
XU Jingyi 中国 17歳
GALVAO Carolyne ブラジル 17歳
ZHAO Xinyue 中国 17歳
大木 愛菜 日本 17歳
NAM Minji 韓国 18歳
WAGMAN Shale カナダ 17歳
ZAGIDULLIN Ervin ロシア 18歳
ARANDA MAIDANA Miguel Angel David パラグアイ 18歳
LORICCHIO Davide イタリア 18歳
BAREMAN Lukas ベルギー 18歳

ローザンヌ国際バレエコンクール外部リンク

正式名称はPrix de Lausanne(プリ・ド・ローザンヌ)。スイス西部のヴォー州ローザンヌで1973年から開催されている。14歳6カ月~19歳未満の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクールの一つで、若いダンサーの登竜門とも言われる。

第46回コンクールは2018年1月28日から2月4日まで開催され、過去最高の380人が応募し、予選のビデオ審査を通過した74人が本選に参加した。日本人は9人が参加。決勝は3日に行われる。入賞者は、希望するバレエ学校かバレエ団で1年間研修でき、奨学金が与えられる。

審査員は9人で構成され、今回は、オランダ国立バレエ団のテッド・ブランドセン氏が審査員長を務める。米・ヒューストンバレエ団のプリンシパル、加治屋百合子さんも審査員を務める。

同コンクールを通して、これまで多数の日本人プロバレエダンサーが誕生した。吉田都さんや熊川哲也さん、そして昨年から英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとなった平野亮一さんや高田茜さんも入賞している。

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