スイスの視点を10言語で

人種差別に反対!

真夏の青空の下で、旗を振ってデモ行進。よりオープンなスイスを求めて Keystone

6月26日、スイスの首都ベルンの連邦議会前広場に約5000人が集まり、連帯をより重視するより開放的なスイスを求めてデモを行った。

集会を呼びかけたのは移民政策に関わるNGO「国境無き連帯 ( Solidarité sans frontières ) 」で、難民認定制度の濫用防止の名目でスイス政府が基本的権利を犯すことのないよう訴えた。

100近くの組織が支援

 国境無き連帯は告知文の中で
「難民認定制度の濫用防止対策は申請者の非合法化を招き、申請者は非人道的な非常救済制度の中で生活することを余儀なくされている」
 と集会の理由を説明している。

 26日の集会で演説者の多くが特に強く異議を唱えたのは、犯罪を犯した外国人の強制送還イニシアチブとそれに対する連邦議会の対案だった。「移民融和のためのフォーラム ( FIMM ) 」のエミネ・サリアスラン氏は
「国民党 ( SVP/UDC ) は強制送還イニシアチブの発議により、国際法上の義務を数多く犯している」
 と批判した。

 また、移民専門家の団体「プロ・インテグラ ( Pro Integra ) 」のファトン・トパリ氏は
「スイスでは、別の考え方をする人々を誹謗 ( ひぼう ) し差別することが当たり前になってきた」
 と述べたほか、スイスがコソボとの間に結んだ社会保障協定を一時停止したために、およそ17万人の移民の正当な要求が奪われることになったと批判した。

 社会民主党 ( SP/PS ) のアダ・マラ国民議会議員は
「今日、スイスには不法滞在者の2世、3世が住んでいる。そろそろこれらの人々を法的に認める時期だ」
 と訴えた。

 集会やデモを支持した組織は100近くに上り、「アムネスティ・インターナショナル ( Amnesty International ) 」、ベルンとチューリヒの人権組織「目を開け ( Augenauf ) 」、ジュネーブの不法滞在者支援委員会、さまざまな労働組合、左・緑の各党などが名を連ねた。

 この集会とは別に26日夕方、「スイス滞在の権利を求める団体 ( Schweizer Bleiberecht-Kollektiv ) 」という名の団体がベルンの公園を占拠した。ここにキャンプを設営し、スイスの難民・移民政策に抗議するつもりだという。

swissinfo.ch、外電

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部