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仕事満足度の国際調査

スイスの仕事場は明るいという調査結果になった Ex-press

仕事場の満足度においては、欧州1に輝くスイス。世界でスイスを抜くのはメキシコだけという国際比較の調査結果が出た。

スイスの労働者の半分は十分に賃金を払われていると考えており、85%が仕事場に「とっても満足」(55%)か「満足」(30%)しているとの答えが出た。

 調査はドイツのコンサルタントグループ、ゲバが行ったもので世界25カ国、1万1000人を対象にインタビュー調査したもの。スイスでは308人が調査に答えた。

スイスの現状

 調査によると、スイスの労働者の80%が同僚と気が合い、75%が上司を好きと答えた。スイスでは欧州諸国に比べて、社会的発展や仕事場の雰囲気、トレーニングや昇進機会、仕事とプライベートのバランスなどで満足度が高いという結果になった。

 スイス労働医療研究所のディーター・キスリング所長は「スイス人の一般的な性格からすると大変やる気を持って仕事に行く」と語り、「雇用者は多くの責任を与えられ、柔軟な雇用制度のため、仕事場で活躍できます。大きな歯車の一環で同じことの繰り返しというよりも、大きな複雑なプロジェクトを受け持つ傾向にある」と分析する。

 他のヨーロッパ諸国で上位を占めたのは5位のオーストリア、日本は25位で最下位となった。

満足でもストレス

 キスリング氏は「例えば、スイスはスウェーデンやドイツなどと比べて長期休業率が低いのですが、これは直接、仕事の満足度と連結しています」と説明。「他のヨーロッパ諸国と比べるとコントロールが緩く、スイスはかなり自由なようです」と分析する。

 スイスで調査を受けた人の3分の2が仕事量は適切だと答えた。しかし、2年前にリクルート会社が行った調査によると、スイスの労働者の3分の1がストレスを感じていると答えている。この割合は他のヨーロッパ諸国に比較すると高い。

 キスリング氏はこれについて、「これはスイスだけの問題ではなく、世界中の現象です。しかし、スイスでは仕事場の改善に心がけていますから、将来は変わるでしょう」と楽観的だ。

swissinfo、マシュウ・アレン 屋山 明乃 ( ややま あけの ) 意訳

<仕事における満足度国際ランキング>

1位。メキシコ
2位。スイス
3位。アメリカ
4位。インド
5位。オーストリア
6位。ドイツ
13位。イギリス
14位。スウェーデン
16位。イタリア
18位。フランス
23位。中国
25位。日本(最下位)

ドイツのコンサルタントグループ、ゲバは世界25カ国の1万1000人をインタビューし、スイスでは308人が調査に答えた。

仕事の満足度に対する調査では、欧州基金が、仕事場の労働環境の改良に関する報告を2007年初めに出版した。この報告ではスイスは4位で、ノルウェー、イギリス、デンマークに続いた。

同上の調査では91%のスイスの労働者が職場に満足しており、仕事と私生活のバランスが取れているとの意見だった。このうち、12%のみが、さらに労働環境を改善できるとし、欧州平均の20%を下回った。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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