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元UBS銀行員、脱税ほう助を認める

フロリダ州の裁判で、UBS銀行のアメリカでの業務に大きな影響がある可能性が高くなった Diederich

脱税ほう助の容疑で起訴されていたスイスの最大手UBS銀行の元マネージャーでアメリカ人のブラドリー・バーケンフィールド被告 ( 43歳 ) に対し6月19日、米フロリダ州で裁判が行われ、被告が起訴事実を認めた。

原告側は、当時UBS銀行で資産運用に携わっていたバーケンフィールド被告に対し、UBSの顧客でアメリカの不動産業者のために脱税を目的として2億ドル ( 約216億円 ) の資金を隠したと訴えていた。またUBSは、こうした行為に対し被告人に多額の報酬を与え違法行為を促したという。判決は8月13日に下るもよう。

有罪を認めた元銀行員

 UBSは裁判に対して、現在のところコメントを出していないが、5月にはアメリカ当局の捜査に協力していると発表した。

 バーケンフィールド被告は当初、無罪を主張していた。一方、弁護士は記者団の質問に対し、被告はUBSで起こったことすべてを話す用意がある答えていた。

 バーケンフィールド被告はアメリカで多くの顧客を抱えていた。同被告が裁判で容疑を認めたため、UBSは2000年から2007年までのアメリカでの業務に対しての起訴でも、立場が悪くなる可能性がある。アメリカ当局はUBSに対し、米国人顧客2万人のデータの提出を要求している。アメリカのニューヨークタイムズによると、アメリカ当局はこの中に、UBSの口座を使った脱税の疑いのある人物のデータが見つかるのではないかとみているという。

 今週日曜日には、アメリカ当局がスイスに対し、法的な協力を求めた。スイス当局はこれに応じるかどうか検討しているという。

 また、もう1人のスイス人のUBS行員も、200億ドル ( 約2兆1600億円 ) の資産を脱税を目的に違法に運用し年間2億ドル ( 約216億円 ) の利益をもたらしていたと訴えられている。このスイス人は今回の裁判に出頭しなかった。

スイスに資産隠し

 原告側の訴えによると、2人はアメリカの富裕層に対し、実際は機能していない企業や組織を立ち上げたり、資産をスイス、パナマ、バージン諸島、香港、リヒテンシュタインなど外国に隠すことを助けたという。税申告の際には偽ったデータを記入し、顧客の資産をスイス本社の金庫に隠し、顧客の宝石、美術品などをスイスのクレジットカードで購入したとも訴えられている。スイスのクレジットカードであればデータはアメリカ当局の捜査の対象にならないだろうと考えていたと被告は告白した。また、顧客の要請でダイヤモンドを歯磨きチューブに隠しアメリカに密輸したことも明らかになった。

 判決は8月13日に下るもようだが、有罪となれば5年間の禁固刑となる。
 
swissinfo 外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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