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奪われた幼少期

ベルンの政治フォーラム「ケーフィクトゥルム」にて開催中の展覧会で、25人のポートレート写真が展示されている。スイスの写真家ペーター・クラウンツァーさんは、これらの写真を通じて「捨てられた子供たち」の過去を語るとともに、スイスの暗い歴史の一側面に光を当てる。

スイスでは1970年代まで、児童養護施設などに保護された子供たちが無償で労働を強いられ、多くが虐待を受けた。スイス政府は昨年9月、生存する被害者に計3億フラン(約340億円)の賠償金を支払うことを決めた。

展覧会外部リンクで展示されている25人の思い出も、こうした児童の強制労働とは無縁ではない。やはり彼らも幼少期に養護施設に送られ、農場や工場での労働を強いられたという。そして、多くが身体的虐待や性的虐待の被害者だ。

こうした児童の強制労働に繋がるような行政保護措置は、欧州人権条約の批准後の1981年に廃止された。

3月17日まで。

(英語からの翻訳・説田英香)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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