スイスのクライン・マッターホルンとイタリアのテスタ・グリジアを結ぶ新しいロープウェイの建設が可能になった。スイス景観保護財団とツェルマット山岳鉄道が25日、合意に達したと発表した。スイス景観保護財団は建設に対して異議を申し立てていた。
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両当事者は「双方の利益を考慮した」合意書に署名した。これによりスイス景観保護財団は、テスタ・グリジアとクライン・マッターホルン間予定されているロープウェイのライセンスと計画承認に対する連邦運輸省交通局(BAV/OFT)への異議を取り下げることになった。
合意にあたり、質の高い観光と自然に配慮したアプローチを促進するとツェルマット山岳鉄道は約束した。また連邦運輸省交通局から営業許可が下り次第、現在チーメ・ビアンケ・ラージ(イタリア領)とクライン・マッターホルン及び国境沿いのリフトの間を運行する資材運搬用ケーブルカーを、現在の夏スキーゲレンデの規模に縮小する。さらに、山頂ステーションの屋外照明とふもとのロープウェイ乗り場の色彩に関して、景観にとけこむデザインを採用することで合意した。
これによりロープウェイの建設は直ちに開始される。ロープウェイは年中無休でツェルマットとイタリアを結び、建設費用は約3千万フラン(約33億円)。操業開始は2021年を予定する。
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山で農業を営む人々の生活に欠かせない小型ロープウェイ。しかし、この輸送手段も、もうすぐ過去のものになってしまうかもしれない。(SRF/swissinfo.ch)
スイスには現在、約200カ所に小型ロープウェイがある。だがその約半数が、維持費がかかり過ぎるために廃線の危機にさらされている。
事の発端は、2007年にスイスが欧州連合(EU)の規格に合わせるために導入した新しい法律だ。この法律によって小型ロープウェイにも、人気観光地にあるような大型ロープウェイと同レベルの厳しい安全基準が適用されることになった。この新しい基準を満たすために必要な修理や工事費は、大手のロープウェイ運営会社ならば観光客が払う運賃でまかなえるだろう。しかし、小型ロープウェイを所有する農家や組合にとって、何千フランという費用は、簡単に出せる金額ではない。
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