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国民投票 -子どもに対する性犯罪の時効無期限と改正麻薬法が可決-

今後、ジェノサイドや戦争での犯罪などと同様、子どもに対する性犯罪は公訴の時効が無期限になる Keystone

11月30日に行なわれた国民投票では5つの案件、大麻合法化と改正麻薬法、柔軟な年金受給年齢、子どもに対する性犯罪の時効、環境保護団体の訴訟権の限定に関して、国民に是非が問われた。

このコンテンツは 2008/11/30 19:50
swissinfo.ch

その結果、子どもに対する性犯罪の公訴の時効無期限に関するイニシアチブと改正麻薬法のレファレンダムが可決され、ほかの3項目は否決された。

子どもに対する性犯罪の時効無期限と改正麻薬法可決

子どもに対する性犯罪は、しばしば加害者が近親者であることなどから、トラウマから抜け告発するまでに時間がかかるとして、「16歳以下の子どもに対する性犯罪は公訴の時効を無期限に、つまり被害者が第1審に持ち込める期間に期限をも設けないこと」を要求するイニシアチブが国民に問われた。

その結果、多くの予想に反し国民は51.9%で可決した。特にスイスドイツ語圏での賛成率が高かった。

イニシアチブが国民投票で可決される例は少なく、1848年憲法にイニシアチブの権利が導入されて以来、わずか15しか可決されていない。

一方、1980年代末公共でのヘロイン消費の映像が世界を駆け巡るなど、麻薬問題がピークに達したスイスでは、政府が麻薬問題全般を扱う「4つの柱」政策を打ち出した。15年間実践されてきた、この政策は、麻薬消費の抑制と予防、麻薬販売ルートのコントロール、麻薬患者の健康管理、麻薬患者のセラピーと社会復帰からなっている。

国民投票では、「4つの柱」政策を根付かせ、医療関係での麻薬使用を柔軟に認め、政府と州の麻薬対策分担を明確にすることなどを付け加えた改正麻薬法の最終判断をレファレンダムの形で国民に問い、68.1%の賛成で可決された。

残り3項目は否決

法的には禁止されながら、厳しい取り締まりが行なわれていなかった大麻消費を、現実に即して合法化するべきだというイニシアチブ「青少年を効果的に保護しながら、大麻を現実に即して取り扱う政策を求めるイニシアチブ」は 63.2%の反対で否決された

また年金に関しては、現在スイスでは女性64歳、男性65歳で満額の国民年金を受給できるが、もし減額を承知なら男女とも受給年齢の2年前に退職を希望できる。イニシアチブは、早期に退職できるのは高所得者で、普通の労働者は満額受給できないので早期退職を行なえないという理由から、「年間所得11万9340フラン ( 約959万円 ) 以下の労働者は、男女共に62歳で早期退職を認めること、さらに65歳になったら誰でも満額受給できるようにすること」を要求した。

結果は反対58.6%で否決された。政府は、国民の9割が年間所得11万9340フラン ( 約959万円 ) 以下であり、このイニシアチブは実質的な国民年金年齢の引き下げだとして反対していた。

年齢の引き下げは国民年金が抱える問題をさらに深刻化させるとして、反対していた右派の国民党 (SVP/UDC)議員、ギー・パルムラン氏は「左派政党の今回の提案は、標的がきちんと定まっていなかった」と、国民の否決に満足したコメントを発表した。

最後に、現在スイスでは環境保護団体は、環境を守る観点から建築物が規定に合致しているか否かの検討を法廷に持ち込む権利を有している。しかし、近年チューリヒのサッカースタジアムが再検討に持ち込まれ、建設が中止された例などを挙げ、スイス経済の発展が損なわれるとして、その権限を限定するイニシアチブが提出された。しかし国民は、このイニシアチブを反対66%で否決した。

なお、今回の投票率は約46%だった。

イニシアチブとレファレンダム

イニシアチブとレファレンダムはスイスの直接民主制の大切な手段で、連邦、州、地方自治体のレベルで行なわれる。イニシアチブは国民発議で、連邦レベルの場合、有権者10万人の署名を集めて法改正を求めるもの。一方レファレンダムも連邦レベルでは連邦議会が決定した法律の最終判断を有権者5万人の署名を集めて国民に問う。

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