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地方問題 過疎に悩むスイスの農村 現金支給で解決なるか

cash in an envelope

いくらもらえるなら田舎に住みたい?

(© Keystone / Gaetan Bally)

スイスの地方部では過疎が進み、住民のつなぎ止めに四苦八苦している。ルツェルン近郊のある村は、若者に現金支給という奇策に乗り出した。

ルツェルンから北西に車で約1時間の距離にある農村、グロースディエットヴィール他のサイトへ。アパートにはたくさんの空き部屋があり、それを埋めるだけの住民がここにはいない。そこで浮かんだのが、グロースディエットヴィールに住むことを選んだ若者に、現金1500フラン(約16万3千円)を支給するアイデア。30歳未満で、親元から離れるのが初めてであることが条件だ。

自治体の広報誌で募ったところ、これまでに初めて世帯主になる若者4人がこの村にやってきた。アパートのワンルームが月950フラン。優にひと月分の家賃が自治体から支給されるわけだ。新築の2Kなら家賃は約1450フランになる。

「一つひとつの現金支給は賢明な投資になる」。レト・フランク村長は地域紙他のサイトへにこう話した。「若者は私たちの未来だ。新鮮で大胆な発想で村の生活を豊かにしてくれる。我々のチームメイトとなり、地元の人たちと家族のような絆を築くだろう」

グロースディエットヴィールの人口は865人。住宅を持て余しているのはこの村だけでなく、スイスには7万5千軒を超える空き家がある。特にスイス南部と中央高原で空き家率が高い。

4人家族で760万円

人口が200人しかいないアルビネン他のサイトへは、移住者にさらに豪華なプレゼントを用意している。

2017年11月の住民投票で、同村の住民は新規移住者に2万5千フランを支給する案を可決した。条件は45歳未満で、最低20万フランの不動産を購入することなどが条件だ。支給額は成人が2万5千フラン(約270万円)、子供は1万フラン。不動産に投資するなら地元住民にも支給される。

ベアト・ヨスト村長が当初掲げた目標は「5年以内に5人の新しい定住家族を呼び込む」。村長は目標に向かって「順調に進んでいる」と話す。

村にはカップル1組のほか、2人の子供と赤ちゃんがいる家族も越してきた。地元住民の間でも3人の独身、3人家族、まもなく子供が産まれる予定の夫婦が家屋の購入や改修に着手した。

「村全体が楽観ムードに包まれているので嬉しい。色々なクラブや企業、個人活動も活発になった」。ヨスと村長はスイスインフォにこう語る。新しいハーブ園や遊歩道、ホテルサービス付き貸別荘プロジェクト他のサイトへ、新しい秋祭りの計画が進んでいる。

「アルビネンは生き生きとしている!それこそが私たちが望んでいたことだ」(ヨスト氏)

赤ちゃんにはボーナス

多くの州は赤ちゃんの誕生した家庭に現金を支給している。ティチーノ州他のサイトへでは今年から、新しい赤ちゃんの産まれた、もしくは養子に迎えた家庭に3千フランを支給している。世帯収入が11万フラン以下であることが条件だ。

背景には死亡率を下回る出生率がある。ティチーノ州では2018年、死亡数が3152人だったのに対し、出生数は2556人にとどまった。2019年1~6月は死亡が1593人、出生が1151人。1月に導入された現金制度の効果はまだ分からない。

ティチーノ州健康福祉局のパオロ・ベルトラミネーリ局長は「最新の予測では、2040年には3人に1人が定年を迎える。世代別の人口比率を一定に保つことは極めて重要だ」と話す。

子供を持つ家庭に同種の現金を支給する地域は少なくない。ルツェルン州やシュヴィーツ州、ウーリ州、フランス語圏ではフリブール州、ジュラ州、ヌーシャテル州では1000~1500フランが支給される。ジュネーブ州やヴァレー(ヴァリス)州、ヴォー州の支給額はなんと3千フランになる。

ワンコイン不動産 1フランで売ります― マッジョーレ湖を一望できるスイスの山小屋

イタリア語圏スイスのティチーノ州にある石造りの小屋9軒が ―改装費は買い手持ちという条件で― それぞれ1フラン(約110円)で売りに出されている。これは同州ガンバローニョ市によるシアガ山岳地域の復興開発事業だ。


(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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