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サース・フェー近郊で氷河の一部が崩落 被害はなし

トリフト氷河
トリフト氷河はサース谷の上方2.5平方キロメートルを覆う Keystone

南西部のスイスアルプスで氷河の一部が崩れ落ちる災害が起きたが、大きな被害はなかった。


 ヴァレー州警察はリゾート地、サース・フェー近郊のサース・グルント村の上に張り出したトリフト氷河の一部が崩れ落ちたと発表した。

 当局は9日夜、安全のためサース谷の住民およそ220人を避難させたが、10日には帰宅することができた。

 崩れたのは「氷舌」と呼ばれる、氷河が風などで周縁部に押し出された部分。その3分の2が崩れたが、2.5キロメートルにわたる氷河の下方部分にとどまった。ただ残り3分の1はなお崩落の危険があり、当局は当地域の監視を続けるという。

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 専門家はこの数日間、氷舌が移動速度を速めていたと指摘する。

 標高2750メートルに達する氷河周辺のケーブルカーや登山道は引き続き封鎖されている。3年前、現地当局は期間限定で同様の予防措置をとったことがある。

ボンド村では新たな被害なし

 先月にはサース谷から東に120キロメートル離れたボンド村(グラウビュンデン州)で大規模な土砂崩れが発生し、ハイキング客8人がいまだ行方不明だ。ボンド村のあるヴァル・ブレガリア(ブレガリア谷)は大雨が続き、当局は週末を前に住民を再び避難させていた。新たな土砂崩れは起きなかった。

(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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