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手に入れたいスイスのカレンダーと手帳

カレンダーに用事を記入するのはアメリカ人。ヨーロッパ人は記入しない。アメリカのカレンダーは日曜日から始まりヨーロッパ製は月曜日から始まる

(Eidenbenz Ag)

秋になると文房具店や書店に並ぶカレンダーと手帳。美しい写真が満載の来年のカレンダーをめくったり、機能やデザインに工夫のある手帳を選ぶのが楽しい季節でもある。

観光客にも人気でお土産として買っていく人も多いカレンダーはどのようにして作られるのか。スイス人はどのように手帳を使うのかを探ってみた。

 日程をコンピュータが管理するようになっても「カレンダーと手帳はなくなりません」と言う業者。アナログの日程管理ツールは、スイスでも堅調に生産し続けられている。「最近、手帳の人気は復活しつつある」とフランス語圏のリベラシオン紙が書いたほど、まだまだ元気な存在だ。スイスでのカレンダーと手帳の今風な使い方を2人の生産者が語った。

美しいスイスを外国へ輸出

 スイス東部、ザンクトガレン市にある大手印刷会社アイデンベンツ ( Eidenbenz ) は、国際舞台で活躍するスイスの大手企業が主要顧客だ。スイスの美しい風景の写真が載ったカレンダーをデザインし、各企業のロゴを入れる。アイデンベンツが印刷するカレンダーは、毎年150万部。5000種類に及ぶ。

 5000部の注文で1部あたり3フラン ( 約270円 ) でできあがる。しかも壁に1年中掛けられるカレンダーは、企業としては宣伝効果も期待できるため、毎年末には全世界に向けてスイスのカレンダーが発送されることになる。

 「企業の担当者はこうした写真に、実はうんざりしているんですよ。しかし、外国人はきれいなスイスの風景が好きですから」とルネ・ホーレンシュタインさん。カレンダーの担当責任者だ。四季折々の風景を伝え、しかもスイス全土を網羅した12枚の写真は、5年以内に撮られた新しいものを使う。必須はマッターホルン、ルツェルン市の風景などだが、写真はアングルが少し変わったり、撮影時間が違うくらいで、どうしても繰り返しになってしまうという。

使い方それぞれ

 「以前は日にちを見るために居間の壁にぶら下がっていました。それが廊下へ移動し、今はトイレを飾るものとなっています。しかし、カレンダーは段々と居間に戻りつつあります」とホーレンシュタインさんは分析する。コンピュータがあるので、今風のカレンダーは絵柄が中心。日にちを目立たせないデザインが多く、より美しい写真が用いられ、装飾的役割が強くなった。アイデンベンツ製の最高額のカレンダーは、店頭値段で55フラン ( 約5200円 ) するチューリヒ・オペラハウスのバレエ団のカレンダーだ。ダンサーを撮った芸術性の高い写真が、月ごとに次々と現れる。これも日にちは、体裁程度に付いている。

 輸出向けが多いせいもあり、スイスはヨーロッパの中でもイタリア、ドイツに次いで3番目のカレンダー生産大国。品質にはこだわりがあるようで、ホーレンシュタインさんによると「高級カレンダーは螺旋状のワイヤーで装丁されていて、めくれるようになっています。日本のカレンダーは月ごとに切り取るようになっていますが、写真が大切にされていませんし、高級とはいえませんね」とのことだった。

手帳の老舗

 1900年創業のビエラ ( Biella ) は、文房具の老舗で、特に書類ファイルで有名だが、同時に手帳も作り続けてきた。ビジネス用と個人用合わせて350種類の手帳を作っている。顧客は主に企業で、会社のロゴを入れて広告用に使われるのがほとんど。

 コンピュータがスケジュールを管理するようになったことが一因で、この2年間の売上は横ばいだ。「企業が景品として手帳を作らなくなったこともあります。でも、景品の手帳を長年使っていた消費者が、使い慣れた手帳を求めに文房具屋を訪れたりもします」と生産担当者ダニエラ・レーズリさんは言う。60年前のデザインのものも作り続けるなど、中身のデザインはあまり変えないのが同社の哲学だ。

表紙で勝負

 女性に人気なのは銀、もしくは黒と赤の表紙。男性は小型でありながら日記も書ける大きさで、表紙はシンプルな手帳。そのほか、毎日15分おきに区切りをつけた病院の予約用の手帳や、机の3分の2を覆うような巨大手帳もある。これは、メモを次々書き入れ、1週間後にはそのページを切り離してしまう。

 昨年スイスの優良文房具として賞を受賞したのは、小中学生にデザインを選ばせて作った手帳だった。女子生徒向けはランの花や若い恋人同士のロマンチックな写
真。男子生徒向けにはスポーツ、ロデオの絵柄が選ばれた。中身のデザインはそれぞれ同じだが「女子生徒は日記として使うことも多く、1日1ページが基本。男子生徒はあまり文章を書かないので、2ページで1週間になっています」とレーズリさん。若い頃から同社の手帳を使ってもらうことで、固定客を取り込もうということでもあるらしい。

 「手帳は日記として使っている人も多くあり、個人のデータが詰まっている毎日の伴侶です。しかも手で記入することで、日程は忘れにくいはず」とコンピュータには勝てない特色を挙げるレーズリーさん自身は、ビジネス用とプライベート用の2冊の手帳を持っている。彼女の同僚には、2冊持っている人が多いという。ビジネス用は2ページに1週間とやや小ぶりの手帳。プライベート用は分厚いシステム手帳だ。ビジネス用は常に机の上に置かれ会議に持参する。プライベート用はバックの中にあり、日記と兼用。「ビジネスとプライベートで1冊にしたら書き込みきれません。しかも、うっかり机の上に置き忘れて、同僚に見られでもしたら大変です」

swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )


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