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東へ向けて 世界へ展開、アート・バーゼル

(Reuters)

世界最大規模の現代アートフェアであるアート・バーゼルが、13日からバーゼルで開催される。これに先立ち香港で、アジア初のアート・バーゼル(5月23~26日)が行われた。米国でのアート・バーゼル・マイアミ・ビーチはすでに10年の歴史を誇る。このように、スイス以外の地域でアート・バーゼルのブランド性が高まっていく様子を、香港のフェアを中心に専門家に聞いた。

 「香港のアート・バーゼルは、アジアマーケットの躍動性の象徴。うちのギャラリーもアジアでクライアントの世話をするため展示を行った」と語るのは、スイスのアクサ・アート(Axa Art)の支配人、ダヴィッド・サイレンさんだ。

 そして、「アジアのたくさんのアート作品に感銘を受けた。香港での開催は、異なる文化、異なるアートの見方を知るための跳躍台になった」と話し、このアジアへの展開を高く評価する。

 香港では、35カ国から245軒のギャラリーが出展。半数以上がアジアからだった。バーゼルで毎年開催されるアート・バーゼルの出展ギャラリー数が300軒であることを考えると、かなりの規模になる。

 一方、ガゴシアン(Gagosian)、ホワイト・キューブ(White Cube)など、欧州のトップレベルのギャラリーも出展した。こうしたギャラリーは最近、東アジアに進出しただけでなく、オーストラリアやインドにも支店を出している。「アジアマーケットの重要さを過少評価してはいけない」とサイレンさんは言う

アート・バーゼル(Art Basel)

スイスのバーゼルで開催される第44回アート・バーゼル(6月13~16日 )とは、「アート・バーゼル」という名称のもとに行われる様々な以下のようなイベントを含むもの。

アート・アンリミティド(Art Unlimited)は、巨大なサイズのアートの展示。今年は79点の作品が出品される。

アート・パークール(Art Parcours)は、有名な作家ないしは新人による屋外でのインスタレーション。

アート・フィーチャーズ(Art Features)では、専門家が企画したプロジェクト、ないしはテーマによる展示が行われる。

アート・バーゼル・コンベルサシオン(Art Basel Conversation)は、アート界の中心的人物によるパネル討論会。

アート・フィルム(Art Film)は、アーティストによる映画作品、またはアーティストを主題にした映画作品の上映会。

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感性は東と西で違う

 「アジアの主なアート・コレクターが全員、香港のアート・バーゼルに来ていた」と語るのは、ガゴシアン・ギャラリーの香港支店長ニック・シムノヴィッチさんだ。「欧州の場合も同じく、主要なアート・コレクターはほぼ全員来ていた。今年はヴェネチア・ビエンナーレが遅く始まったからだ」

 シムノヴィッチさんは、香港は大成功だったと考える。良い経験になったし、インド、中国、日本、韓国、オーストリアから多くのコレクターを引き寄せたからだ。

 ただ、香港はバーゼルやマイアミにあるような「熱気」に欠けると付け加える。バーゼルやマイアミでは、アートの知識で身を固めたコレクターがアートフェアの1日目、そうでなければ最初の数時間で、目的のものを購入する。そうした雰囲気に欠けるのだ。

 「香港では、コレクターは皆慎重で、よく考えてからやっと購入を決める」と、シムノヴィッチさん。前出のサイレンさんも同意見だ。「アートに対する鑑賞の仕方が、欧米とは違う」。「今後、アジア人の鑑賞の仕方がどう変わっていくかを知るのは興味深い。なぜならアートに対する感性は東と西ではかなり異なり、それがアート・バーゼルという名の傘の下でお互いに浸透し合うからだ」

若いギャラリスト

 アジアでの新しいマーケットを開発しようと、多くの若いギャラリストも香港に出展した。

 アレクサンドラ・シュタエリさんもその1人。シュタエリさんは、地域に根ざした若いアーティストを専門に扱うチューリヒの新しいギャラリー、レーバーフォンシュテングリン(Raebervonstenglin)で働いている。

 「香港のアート・バーゼルは、パーフェクトなタイミングだった。それにアジア全域が我々のアートにとって重要な地域になった」

 シュタエリさんは、買う目的がなくふらりと会場に訪れる人々の、スイスのアートに対する関心、特にどうやって作品が(特に彫刻が)作られるのかという点に対する関心の強さと好奇心に驚いたと微笑みながら話す。「こうしたことは、他の欧米のアートフェアでは決して見られない。非常に新鮮で感動した」

アート・バーゼルのブランド化

 バーゼルで行われるアート・バーゼルの企画の一つに、巨大サイズの作品を展示するアート・アンリミティド(Art Unlimited)がある。これを長年担当する現代アートの専門家シモン・ラミュニエールさんも、香港に行っていた。

 ラミュニエールさんが驚いたのは、アート・バーゼルという名が香港でブランドになっていたということだ。「それはまるで、ファション界でのプラダみたいなものだった」

 

 しかし一方で、香港ではある国のギャラリストは結局その国の顧客とだけ商売を行うという現象に気が付いた。「アメリカのギャラリーはアメリカ人に、中国のギャラリーは中国人に、オーストラリアのギャラリーはオーストラリア人に売るといった具合だった」

 だが、それでは国際アートフェアの精神に反するのではないだろうか?スイスの現代アートギャラリー、ハウザー&ヴィルト(Hauser & Wirth)のフロリアン・ベックトルトさんに質問を投げかけてみた。同ギャラリーは、チューリヒを拠点にロンドンに2軒、ニューヨークにも2軒支店を持つ、国際的なギャラリーだからだ。

 「グローバルなマーケットでは、他の国のアートを理解するのに随分時間がかかる。だが、アート・バーゼルが企画すると、その名に引き付けられて多くのメディアが参加し、コミュニケーション性も興味も高まっていく」とベックトルトさんは言う。

 だからこそ、国際市場を目指すハウザー&ヴィルスは、他の国際的なアートイベントにも参加はするが、アート・バーゼルの名がつくアートフェア(明日から始まるバーゼルでのフェア、マイアミビーチと香港のフェア)に、必ず参加するのだと話す。


(英語からの翻訳・編集  里信邦子), swissinfo.ch


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