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混乱状態のイラクでの人道支援難航

陥落後のバグダッドの略奪横行に人道援助が難航する。 Keystone

バグダッドの陥落後、無政府状態で治安が悪化している市内で略奪行為が広まっており、赤十字国際委員会(ICRC、本部:ジュネーブ)によるとバグダッドのアルキンデイ病院ではベッドや電化製品などが奪い取られ、職員は危険のため病院に戻れない状態にあるという。

このコンテンツは 2003/04/11 19:16

ICRC、ケレンベルガー総裁は11日、ジュネーブ本部で記者会見を行い、バグダッドやイラクのその他の地域で広まっている無法状態を深く懸念し、米英軍に制圧した地域では国際法上、浄水場や病院など基本的なインフラを保護する義務があると呼びかけた。

略奪横行

戦闘勃発以来イラクで唯一、支援活動を続けてきた赤十字国際委員会だが、カナダ人男性スタッフ1人が米軍とイラク軍の銃撃戦に巻き込まれ死亡した(8日)。このため、活動が一時停止していた。10日、ICRC代表団は病院に医療物資の配達を試みたが治安悪化のため断念。ICRC広報官のフロリアン・ウエストファル氏によると「街は完全に混乱状態で武装した市民が徘徊し、いたる所で略奪行為が続いている」という。11日、世界保健機関(WHO)も国連欧州本部のブリーフィングで「バグダッドのアルキンディ病院だけではなく、他の都市からも同様の報告を受けている」とし、医療物資の配達が1ヶ月間も滞っていることを懸念している。ICRCの現地職員は11日現在、危険で病院へのアクセスも、水の配給もできずにいるという。

ジュネーブ条約の遵守呼びかけ

ケレンベルガー総裁は「この紛争は新しい段階に突入した。ジュネーブ条約、42条、43条に基づき、英米軍は占領した地域で、環境とインフラを守らなくてはいけない」と訴えた。ICRC中東担当代表のスタエリン氏は「バグダッドの状況は深刻で医療スタッフばかりか、患者も病院から逃げている」と語った。人口500万人のバグダッド市内には33の病院があるが主要な病院は機能しておらず、医療システムの崩壊で戦傷者ばかりか、普通の患者も放置されている状況にある。同氏は「このままの状況が続けば伝染病が流行る可能性もある」と指摘する。

現在はイラクにはバズラ、エルビルとバグダッドに16人のICRCの国際スタッフがいるが、国内スタッフは活動困難のため120人に減った。ICRCは米英軍の戦争捕虜訪問も行っており、すでに3800人の登録を終えた。

国連の反応

国連アナン事務総長も10日、無政府状態の放置はジュネーブ協定違反になり、「米、英、オーストラリアの軍部隊がイラクに侵攻し、支配化に置いたのなら、彼らに治安維持の責任がある」と指摘し、これらの国にイラク社会の秩序を回復する責務があるとした。

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