スイスとフランスの国境にあるレマン湖には、毎年約50トンのプラスチックごみが流れ込むことが新しい研究で明らかになった。
このコンテンツが公開されたのは、
レマン湖救済協会(ASL)が委託したこの調査外部リンクでは、毎年湖で見つかるプラスチック廃棄物の半分(30トン)が自動車やトラックのタイヤから出る合成樹脂だと推定している。道路から洗い流されるタイヤのほこりや小さな粒子が、湖に堆積するという。
湖から出るごみで2番目に多いのは梱包ごみ(10トン)。建設工事で使用されるプラスチック(3.3トン)、繊維の粒子(2.2トン)、塗料(0.9トン)と化粧品(0.7トン)がそれに続く。
ジュリアン・ブーシェさんと連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の共同研究では、湖に堆積するプラスチックごみの99%は、道路の溝や排水溝を介して湖に流れ込む細かい粒子だ推定している。ジュネーブ近郊のローヌ川に投棄されたごみでレマン湖に流れ着く廃棄物は、全体のわずか10分の1だった。
プラスチックごみの大半は湖底の堆積物として蓄積し、ほとんど分解されない。また、鳥や魚などの生物が体内に取り込むプラスチックごみも相当な量に達するという。
プラスチック廃棄物の問題に対処するため、とりわけ包装に使用するプラスチックの量を制限し、消費者が再利用できる材料や容器を選ぶよう、レマン湖救済協会は大手企業に要請している。
今年初めに発表された別の研究によれば、ジュネーブ湖から収集されたプラスチック廃棄物には、有害な臭素とカドミウムが含まれていた。これは野生生物を明らかに危険にさらす量だった。また、廃棄物からは高濃度の水銀と鉛も検出された。
おすすめの記事
おすすめの記事
ネスレ、プラスチックごみの製造元トップ3に
このコンテンツが公開されたのは、
国際環境NGOグリーンピースによると、スイスの食品大手ネスレはコカ・コーラやペプシコに並び、世界で見つかるプラスチックごみの3大製造元だ。
もっと読む ネスレ、プラスチックごみの製造元トップ3に
続きを読む
おすすめの記事
きれいなスイスの地下水 だが楽観視は禁物
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの水道水やその大部分をまかなう地下水は、良質できれいな状態が保たれている。しかし連邦環境省環境局は今後の汚染を懸念している。
もっと読む きれいなスイスの地下水 だが楽観視は禁物
おすすめの記事
リサイクルでトップクラスのスイス、でもゴミの排出量も
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの消費者が出すゴミの量は増加傾向にあるが、リサイクルの成績も欧州では依然としてトップだ。欧州連合統計局(ユーロスタット)が明らかにした。
もっと読む リサイクルでトップクラスのスイス、でもゴミの排出量も
おすすめの記事
ネスレ、プラスチックごみの製造元トップ3に
このコンテンツが公開されたのは、
国際環境NGOグリーンピースによると、スイスの食品大手ネスレはコカ・コーラやペプシコに並び、世界で見つかるプラスチックごみの3大製造元だ。
もっと読む ネスレ、プラスチックごみの製造元トップ3に
おすすめの記事
ヌーシャテル、2019年からレストランでストロー使い捨て禁止
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部のヌーシャテル市では、2019年からカフェやレストランでのプラスチックストローの使用を禁止する。廃プラスチックを削減する動きは世界的に広がっており、ストローの禁止はスイスでは初めて。
もっと読む ヌーシャテル、2019年からレストランでストロー使い捨て禁止
おすすめの記事
スイスの大量のプラスチックごみ リサイクル率の低さはなぜ?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは他の欧州諸国と比べて3倍ものプラスチックを消費する一方で、リサイクル率は3割も低い。ただ、欧州連合と中国のリサイクル事情の変化に伴い、スイスの状況もまた変わりつつある。
もっと読む スイスの大量のプラスチックごみ リサイクル率の低さはなぜ?
おすすめの記事
食品中にナノ粒子が見つかる 健康へのリスクは未知数
このコンテンツが公開されたのは、
フランス語圏のスイスで実施された試験的な調査で、食品の4分の1以上にナノ粒子が含まれていることが明らかになった。このような粒子は添加物や着色料という形で食品に含まれ、健康に与える潜在的なリスクはまだ明らかになっていない。…
もっと読む 食品中にナノ粒子が見つかる 健康へのリスクは未知数
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。