スイスインフォ存続へ一歩前進
スイスインフォの将来に期待が増した。スイスインフォの経費の半分を連邦政府が負担することが国民議会で可決されたからだ。
現在開催されている秋の議会で下院は、ラジオ−テレビ法(RTVG)の改正について審議を行った。審議はスイスインフォの存続のほか、コマーシャルに対する制限についてもなされ、宗教および政治に関するコマーシャルは、引き続き禁止することが決定された。
国民議会(下院)は22日、秋季の連邦議会会議で、賛成97対反対63票で政府がスイスインフォの予算の半分を負担することを支持する決定を下した。残りの半分はスイス放送協会(SRG/SSR)が受け持つという提案である。「スイスインフォのサービスと報道の質については問題はない」小さい政府を支持する国民党党員のマックス・ビンダー議員さえ、スイスインフォを評価した。問題は経費をどう賄っていくかにあった。
スイスからの声を消さない
キリスト教民主党党員のキアラ・シモネスキ議員は、外国に住むスイス人にとってスイスインフォは祖国とのつながりを果たす意味で大切だと発言。また、国外におけるスイスのショーウィンドーの役割も保っていると指摘した。
連邦議会の放送委員会のペーター・フォルメール(社会民主党)もスイスインフォの存続を支持。さらに「連邦が半分だけ出資するというのはスイスの声を弱める中途半端な援助だ」とさえ発言した。
モリッツ・ロイエンベルガー通信相は、議会の決定は2003年に決定した連邦政府の予算削減方針に反するものだと語った。
SGR/SSRも満足
下院の決定に好感する声が多く寄せられた。スイスインフォのディレクター、ベアト・ヴィチ氏は「スイスインフォが、スイスのメディアとして外国においてスイスの存在を示す役割を担うことが支持された」と語った。
SRG/SSRのアルミン・ヴァルペン会長は「決定に大いに満足している。上院が下院同様の決定をすれば、スイスインフォを解体するという本年3月の決定に、当然のことがならが影響する。解雇も避けられるだろう」と語った。ヴァルペン氏は3月にスイスインフォの解体とそれに伴う大量の解雇を発表した本人だ。
スイスインフォが注目されたこと
外国に住むスイス人の協会「ASO」の会長ルドルフ・ヴィダー氏は、下院の決定を評価し「SRGがスイスインフォを解体すると決定したことで、議員の目がスイスインフォに向けられたことは良いことだった」と語った。
全州議会(上院)は冬季議会で、スイスインフォの予算について討議する予定だ。両院とも可決すれば、SRG/SSRはスイスインフォの将来について、検討し直すことになる。
swissinfo、クリスティアン・ラウフラウブ 佐藤夕美(さとうゆうみ)意訳
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