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第1回スイス・ワークショップ ローザンヌ国際バレエコンクール 地元ダンサーの掘り起こしを目指す

第1回スイスワークショップの様子
(swissinfo.ch/Carlo Pisani)

「プリ・ド・ローザンヌ」は世界に名を馳せる国際バレエコンクール。しかし近年、このコンクールに出場するスイス国籍のダンサーはほとんどいない。スイス国籍の参加者を増やす打開策として、ローザンヌ国際バレエコンクールの主催者は今月1日、ローザンヌのダンススタジオで第1回スイス・ワークショップを開催した。その背景とワークショップの様子を探った。

 スイスは人口約850万人の小さな国。人口の割に舞台芸術の公演数が多く、1834年に設立されたチューリヒ・バレエ団(Ballett Zürich)やバーゼル・バレエ団(Ballett Basel)、ベジャール・バレエ・ローザンヌ( Béjart Ballet Lausanne)、ジュネーブ・グランテアトル・バレエ団 (Ballet du Grand Théâtre de Genève)を中心に公演が行われるが、バレエ人口は少ない。

 スイスのプロダンサー協会「ダンス・スイス他のサイトへ」(本部・チューリヒ)によると、スイスのバレエ人口は推定数千人。同協会に登録されているバレエ教師は現在220人いる。「バレエ」の明確な定義がなく、またバレエ教師になるための認定資格やバレエ教室開業に必要な許認可がないことから、バレエ教室の数や生徒数の現状を把握することは難しいが、毎年多数のコンクール出場者を出す日本のバレエ人口推定40万人と比べると、はるかに少ないことは明らかだ。しかし、スイス国内には、チューリヒ・ダンス・アカデミーやバーゼル劇場バレエ学校など舞台ダンサーとなるための国家資格が取得できる学校から、個人経営のバレエ・スタジオまでさまざまなバレエ教室が存在する。

 世界で活躍する一流のバレエダンサーを目指し、ローザンヌ国際バレエコンクールに挑むスイス国籍の生徒は毎年たったの数人。そもそも応募するスイス人が少ないのだが、近年は、予選審査を通過するスイス国籍のダンサーもおらず、コンクールの開催者であるスイスの舞踊振興財団が贈る「ベストスイス賞」の受賞者がいない年も珍しくない。同賞はスイス国籍のダンサーまたはスイスに3年以上在住してバレエ教育を受けた優秀なダンサーが対象だが、地元ダンサーを育てようという主催者の狙いは空回りしている。ローザンヌ国際バレエコンクールを支援する非営利法人の舞踏振興財団にとっても、スイス人の参加者が少ないのはあまり喜ばしいことではない。

スイス国籍ダンサーの参加者数

スイス国籍ダンサーの参加者数

 そんな現状に危機感を抱き、ローザンヌを拠点として若い有望なダンサーを発掘してコンクールへの参加を促そうと、ローザンヌ国際バレエコンクールのディレクター、キャサリン・ブラッドニー氏が7月1日、第1回スイス・ワークショップを開催した。ローザンヌ、チューリヒ、ジュネーブ、バーゼル、ベルンなどスイス各地から13~19歳のダンサー45人が参加した。スイス国籍の保持者か、スイスで中級・上級レベルのバレエ教育を2年以上受けていることが参加条件。国際コンクールの説明会の後、クラシックとコンテンポラリーのレッスンが無償で提供された。

 ワークショップに参加したアナスタジア・コラボフ・ボタラさん(15)は、スイス西部ヴヴェイ出身。6歳でバレエを始め、現在、週に16~18時間稽古する。そのうち14時間はクラシックに充てているが、今回のワークショップのクラシックのレッスンでは、「モダンな曲に合わせていつもとは違う踊り方に挑戦した。すごく良い経験だった。ローザンヌ国際バレエコンクールに出場したい」と張り切っていた。

 カルン・シュタイナーさん(17)は、スイス国籍を持つタイ人の両親のもとに、ローザンヌで生まれ育った。14歳の時に観たピーターパンを演じた男性ダンサーの踊りに感激し、「プロダンサーを目指している」という。普段の練習は週に25時間。クラシックからジャズやモダン、コンテンポラリーまで、さまざまなジャンルで練習している。ワークショップに参加し、コンテでは普段よりフリーな踊り方を習い、「自分を超えて踊ることにつながった」と感想を述べた。

 主催者のブラッドニー氏は、「将来有望な若手数人に出会えた」と笑顔。「今後もこのような若いダンサーを育成できるワークショップを開催し、地域プロジェクトでバレエをアピールしつつ、スイスの若いダンサーにコンクールで踊るチャンスを与えたい」と語った。

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