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文化

カスパー・ヴォルフ　「モダンな」アルプスを描いた最初の画家

カスパー・ヴォルフ「グリンデルワルト氷河下方部と落雷」、１７７５年頃 ProLitteris
ベニスエックからグリンデルワルト氷河を臨む、１７７８年 ProLitteris
ダラ渓谷から南へ ProLitteris
スタンスの「竜の洞穴」 ProLitteris
ガドメン谷とティトリス、ヴェンデン氷河、グラッセン、フュンフフィンガーシュテッケン、１７７８年 ProLitteris
ラウターアール氷河にある大きな石 ProLitteris
冬のシュタウプバッハ滝 ProLitteris
グリンデルワルト谷とヴェッターホルン、メッテンベルク、アイガーの眺め ProLitteris
トゥーン湖での嵐 ProLitteris
グレッチュの谷から見たローヌ氷河 ProLitteris
ロイカーバートとゲンミ峠 ProLitteris
夏のシュタウプバッハ滝 ProLitteris
グリンデルワルト氷河下方部、リュッチネ、メッテンベルク、１７７５年頃 ProLitteris
インナートキルヒェン東部のミューレ谷にある堰（せき） ProLitteris
ダラ渓谷から北へ ProLitteris

スイス人画家カスパー・ヴォルフ（１７３５～１７８３）は、アルプスの山々を描いた画家の中でも先駆者的存在だ。山を理想化せず、荒々しい自然な姿を劇的なタッチでキャンバスに表現した。そんなヴォルフの特別展示が、バーゼル美術館で来年２月１日まで開催されている。

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ヴォルフがアルプスの山を描くことになったのは、ベルンの出版会社社長から依頼を受けて、旅行ガイドブックに挿入するスイスアルプスの風景のイラストを担当したことがきっかけだった。

叙事的な詩集「アルプス」（１７９２年）の著者として有名な自然学者、アルブレヒト・フォン・ハラーは、ヴォルフの描く荒涼とした自然の風景についてこう書いている。「…ヴォルフの美しい視点では、霧に溶け込んだ水の流れさえも見えてくる」

１８世紀末のアルプスに対する視覚的認識に大きな影響を与えたヴォルフの作品と、その当時の画家たちの作品１２６点を集めた特別展示「Caspar Wolf and the aesthetic conquest of nature（カスパー・ヴォルフと自然の審美的な征服）」は、バーゼル美術館で来年２月１日まで開催中。

（写真・バーゼル美術館、ProLitteris、文・Igor Petrov、編集・swissinfo.ch）

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