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水渦で発電 ! インドに輸出されるスイスの発電技術

電気のないインドの寒村に、スイス製の小型水力発電装置を輸出するプロジェクトがスイス・インドのジョイントベンチャーによって始まった。

この特殊な発電装置は現在、スイス・アールガウ州のシェフトラントでのみ使われている。「重力水渦発電機」と訳されるこの装置は、直接河床に設置され、まず川の落差によって引かれてきた水が水槽の中に入る。ところが水槽の底には穴が開いているため、水は、風呂の栓を抜いたときのように、重力によって水渦を作る。この水禍の力でローターが回り発電が行われる。

この発電装置が機能するためには、最低0.7メートルの水位と毎秒千リットルの水量が必要だ。また、小型でシンプル、そして維持費が安く寿命も長いという革新的なシステムで、これを用いれば、年間でスイスの約20~30世帯の消費電力が賄える。

2009年に建設されたこの発電所は、2011年に連邦エネルギー省よりベスト・エネルギー・プロジェクト部門の名誉ある「金のワット賞」を授与されている。

今回、この発電装置が設置されることになったのは、電気のないインドの寒村。インドにはこうした村が3万以上もあるという。

シェフトラントの発電所を運営するスイス水渦発電組合(GWWK)は、スイス・インド系企業であるヴェルデ・インターナショナル(Verde International)と数百万スイスフランに相当する契約を結んだ。このプロジェクトはインド政府およびNGOの支援を受けることになっている。

今後5年から10年にわたりGWWKは、インドでのこうした発電所の発展を援助し、専門技術や構成部品の提供を行う。(制作・スイスインフォ)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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