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銀行守秘義務緩和を欧州諸国に説明

ミシュリン・カルミ・レ外相と会談相手ベルナール・クシュナール仏外相

(Keystone)

ミシュリン・カルミ・レ外相は3月18日、パリを訪問しフランスのベルナール・クシュナール外相およびエリック・ボルト財務相と会談し、スイスの銀行守秘義務緩和政策を伝えた。

スイスは、アメリカや欧州連合( EU ) からの銀行守秘義務に対する圧力に、銀行守秘義務を緩和すると先週発表した。今後4月2日開催のG20までにEU主要国を訪問し、その意向を伝えて行く予定だ。

ドイツ、イタリアも訪問

 「今回のフランス訪問は、スイスの立場を伝えるのが第1目的だ。一方、相手国の反応もしっかりと受け止める方向だ」
 とカルミ・レ外相訪問団の一員は語った。これに対しボルト仏財務相は、銀行守秘義務緩和政策を歓迎し、「正しい方向への第1歩だ」と評価した。また、スイスの政策をしっかりと受け止めたともコメントした。

 今後スイスは経済協力開発機構 ( OECD ) の納税手続き基準に従い、各国と交わしている二重課税条約を見直す方向だが、
 「ボルト財務相のさまざまな指摘は受け止めた。また、フランスとの二重課税条約の改正案には両国政府は基本合意しており、両国の議会の合意を待つことになる」
 とカルミ・レ外相は会談後の記者会見で語った。カルミ・レ外相はフランス訪問後、同じ目的でドイツ、イタリアを訪れる予定だ。

 国内的には、連邦議会の春季総会でハンス・ルドルフ・メルツ連邦財務相は銀行守秘義務緩和政策に対し多くの非難を浴びた。

 社会民主党 ( SP/PS ) や 緑の党 ( Grüne/ Les Verts ) からは、政府がこうした事態になる前に銀行守秘義務を改正しようとする姿勢が欠如していたといった指摘が出た。さらにスイスの銀行の不正ファンド問題などを早期に解決しておくべきだったと批判し、また「納税の回避」と「脱税詐欺行為」の2分離も廃止すべきだと提案した。

 右派国民党 (SVP/UDC)は、政府は外圧に屈したと批判し、今後「報復的」な手段を講ずるべきだと語った。しかし、キリスト教民主党 ( CVP/PDC ) のジョルジュ・テイラー議員は、
「メルツ連邦財務相とほかの大臣は、困難な状況下で最大限の成果を上げた」
と政府の姿勢を支持した。

swissinfo、外電

スイスの銀行守秘義務に対する外国からの圧力

2007年3月12日 連邦国民議会が「納税の回避」を民法に載せる提案を否決。
2008年3月19日 ルドルフ・メルツ財務相が外国からの圧力に対し「銀行の守秘義務を死守する」と語る。
10月21日 ドイツ、フランスのほか15カ国が、「租税回避地」をブラックリストに載せると発表。ドイツのペール・シュタインブルック財務相は「アメよりムチを使わなければならない」と語る。
2009年2月2日 欧州連合委員会は、EU加盟国内で銀行の守秘義務を撤廃する決定を下す。オーストリアは今後、守秘義務を継続できないことになった。
2月18日 アメリカ司法省は、UBS銀行のアメリカ人顧客約300人分の情報開示を要求。同時に銀行の守秘義務の撤廃も要求。
2月19日 スイス政府はアメリカ政府に対し、UBSの件は明らかに「脱税詐欺行為」であると認める一方、銀行の守秘義務は守られると再度強調した。
2月25日 ルドルフ・メルツ財務大臣は、「納税回避」と「脱税詐欺行為」は違うと再度明言した。
2月26日 EUは納税問題についてアメリカと同等に扱うようスイスに要求
2月28日 国民党 ( SVP/UDC ) 以外の政党は、銀行の守秘義務については譲歩する必要があると表明。
3月5日 閣僚会議で、OECDの納税基準について、保留条項の取り入れが検討される。
3月8日 オーストリアとルクセンブルクとの協力で納税制度や守秘義務について対外的な協力体制を組むと発表。制裁を伴うEUのブラックリスト掲載に反発。
3月12日 香港、シンガポールに続き、リヒテンシュタインとアンドラがOECD基準に従う意向を発表。
3月13日 スイス政府、OECD基準に従う意向があると発表。

スイスは今後、経済協力開発機構 ( OECD ) の納税手続きの基準に従い、各国と交わしている二重課税条約を見直し、他国当局が個々の案件について、具体的な理由をもって銀行顧客の情報を開示するよう要求した場合は、それが納税回避の場合でも、これに応じる方向に動くことになる。

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