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雇用側は定年退職年齢の67歳への繰り上げに反対

アドルフ・フイ氏は98歳で床屋を営業している。

(Keystone)

スイス大統領兼内務省のパスカル・クシュパン氏による社会保障制度を健全化のために定年退職を65歳から67歳へ繰り上げるという提案が論争を巻き起こしている。

ドイツ語圏とフランス語圏の雇用者に行ったM.I.S.トレンド社の世論調査によると、5人に4人の雇用者が2025年までに退職年齢を65歳から67歳に引き上げるのに反対だと答えた。

世論調査

 週間経済紙「ハンデルスツアイトング」が発表したと世論調査によると、10人以上を雇っている企業300件のうち85%が、2015年に66歳まで、2025年からは67歳までに退職年齢を上げるという提案に反対しているという。

 また、「65歳以上の人を雇用する気はありますか?」という質問に対して、77%が「ない」(50人以上を雇用する企業が主)、20%が条件によって「ある」と答えるが、この多くが10人から15人を雇用する小企業。わずか、1,5%が条件なしに雇用すると回答した。

 しかし、すでに雇用している労働者に対してはもっと寛容で、58%の雇用者が社員を67歳まで雇い続ける準備ができていると答えた。

 なお、一般のスイス人600人を対象に5月に実施されたイソパブリック社の世論調査によると79%のスイス人が67歳まで働きつづけるのに反対、17%が賛成と回答したとゾンターグブリック紙とディマンシュCH紙が伝えている。

反対理由

 雇用者側が反対する理由は社員の年齢が高ければ高いほど、給与と社会保障にお金がかかるからだ。また、一般的にスイスでも高齢の人を若者の下のポストにつけるのに抵抗があるといわれる。さらに、大きな障害は社会保障と付随する相互保険への雇用側の出資が50歳以上だと大変重いことにある。例えば、スイス公共放送協会の給与制度を例にとってみると、25歳から34歳の社員への相互保険料は給与の7%であるに対して、55歳から65歳までは18%にも昇る。会社によって割合は異なるものの、給与額の違いを考慮すると企業側にとっては大きな差となる。ヴォー州などでは高齢者の再就職を活性化するために、州が企業の代わりに相互保険を補助する制度を導入している。

人口統計の変遷

 大きな問題はスイス人の出生率の低さにもある。1950年代は1人の退職者を9人の現役の労働者が支えていたが、2000年にはすでに6,5人に減少し、2050年には3人の現役者が1人の退職者を支えることになる。スイス雇用協会のピーター・ハスラー氏は「2006年からすでに現役人口が激減するのでここ20年間は雇用側は高年齢者を雇わざるを得なくなる」と語る。「これからは年功序列制の給与形式を見直さなければならない」とも加えた。


スイス国際放送、

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