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「他力本願」のスイス人

個人宅を掃除する「プロ」は引く手あまた Ex-press

税金申告、接待、ペットの世話、植木の水やり…。あれやこれやのプライベートな仕事を他人に任せるスイス人が増えている。

このコンテンツは 2008/02/10 15:26

信託業者や種々のサービス業では問い合わせが増加中。そればかりかラブレターなど、最もプライベートな領域まで「プロ」の手に委ねられている。

そろそろ郵便受けに税金申告書が舞い込む時期だ。スイスでは源泉徴収ではなく、個人で税金の申告を行う。スイス信託業者協会 ( Schweizerischer Treuhänder-Verband / Union Suisse des Fiduciaires ) のベンヤミン・メルクリ氏は、
「申告書の記入に悩まされている納税者はたくさんいる」
と言う。

やっぱり複雑?コンピュータで税金申告

ほぼすべての州で税金申告の電子バージョンが導入されると、多くの人が自分で申告書に記入し出した。しかし、この傾向は再び変化している。

「コンピュータを使った税金申告に頭を抱えたり、不満を抱いたりしている人が、再び信託業者のもとへ足を運ぶようになっています。何も問題のない個人の税金申告は、信託業者にとって特に実入りが良いわけではなく、内容的にも非常に魅力があるものとは言えませんが」
と、メルクリ氏。

客足の増加はペーター・ツルヒャー氏も実感している。しかし、依頼者はにっちもさっちもいかなくなった状態になってから駆け込んでくる。そのため、仕事は急ぎのものばかりだ。

ペットの世話と鉢植えの水やり

スイス人が助けを求めるのは、役所へ提出する書類に関してばかりではない。住まいやキッチン関係を受け持つサービス業の需要も大きい。

「新しい問い合わせは月に50件から80件あります」
と言うのは、ヘルパー派遣業「サービスマルクト ( Servicemarkt ) 」社のベアトリクス・グリュニヒ氏。特に依頼の多いのが個人宅の掃除だ。そして、一度信頼関係が築かれると、依頼者が休暇で家を留守にする間、ペットの世話や鉢植えの水やりなどほかのサービスも頼まれるという。

このような時勢の中、チューリヒ市アルビスリーデン ( Albisrieden ) 地区に住居管理サービスつきのアパート283世帯が登場した。ここにいる管理人は、「ジェームス」住宅団地に住む住人に郵便事務や洗濯、花や劇場チケットの注文など、さまざまなサービスを行っている。グリュニヒ氏によると、これらのアパートの賃貸料は一般の貸しアパートと変わらないという。

究極のサービス

そのほか、ケータリングサービスの注文も増加している。牛肉加工販売業者でケータリングサービスも行っている「ベル ( Bell ) 」社広報担当のダヴィデ・エリア氏は、
「以前よりずいぶん多くのイベント用注文を受けています」
と話す。主催者はお客の接待に専念、配膳はアウトソーシング ( 外注 ) されるようになったのだ。

イベントは誕生パーティから結婚式、引っ越し祝いにバーベキューパーティと実にさまざま。ときにはお客に特にぜいたくをしてもらおうと、親族のクリスマスパーティにケータリングを利用する人もいるという。

また、時間に追われるスイス人は、「ベストフレンド」の犬もサービス業者の手に委ねる。ペットの世話一般を引き受けている「ティアケア ( Tiercare ) 」経営者兼 オーナーのホセ・グセル氏は、
「忙しい人たちは、自分のペットを長時間一人ぼっちにさせたくないと考えるようになりました。そのため、託児所のような全日サービスの需要がとても高まっています」
と話す。

現在行っているのは、犬の散歩と依頼者宅でのペットの世話だ。猫は特に自宅で過ごすのが一番。全日サービスの問い合わせは1日に5件から10件あり、グセル氏は犬を1日中預かることができる場所をスイス全土で探しているところだ。

一方、ラブレターを書くという、とてもプライベートな領域でサービスを提供しているのは「リーベスブリーフェ・ドット・シーエイチ ( Liebesbriefe.ch ) 」。実質的には、サービス業ではなく「ライフヘルパー」なのだそうだ。

「ほとんどの場合は、伝えるべきことを相手に口頭で伝えてから手紙の代筆を依頼してきますね」
と、ラブレターを代筆している1人ジャンノット・ルッキさんは言う。結婚記念日などに書く「本物のラブレター」は全体の約4割を占めているということだ。

swissinfo、ダニエラ・シグリスト ( AP ) 小山千早 ( こやま ちはや )訳

スイス信託業者協会 ( Schweizerischer Treuhänder-Verband / Union Suisse des Fiduciaires )

スイス信託業者協会は1963年に創立された。12のセクションに1700人の会員が登録している。

入会しているのは、主に中小企業や個人から仕事を請け負っている信託業者。

その中の多数は、平均職員数6人という小さな信託会社の出身。

入会企業の職員総数は8100人で、そのうち750人が職業見習い中。

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