スイス連邦内閣は21日、結婚している夫婦と事実婚の同居カップル間における課税制度の不均衡を是正する税制改正法案を可決した。議会の承認を得れば正式に施行され、スイスで「結婚罰」と呼ばれていた不平等税制が解消に向かいそうだ。
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スイスでは、結婚した夫婦が事実婚の同居カップルに比べ、より高い税金を支払っているケースが多い。累進税率を採用しているこの国では、正式な婚姻関係を結んでいない同居カップルは個人単位で課税されるが、夫婦ではそれぞれの所得の合計金額に課税されるためだ。これを受け、キリスト教民主党が両者の格差是正を求めるイニシアチブを立ち上げたが、2016年2月の国民投票で僅差で否決された。
内閣の改正法案外部リンクによると、税務局がまず、対象となる夫婦に対し、夫婦単位で税金がいくらになるかを試算。それから、事実婚のカップルと仮定して二人の税金額を再度算出し、合計金額の低い方を採用する。
1984年、連邦最高裁判所は、結婚した夫婦の税金が結婚前より1割以上増えた場合を違憲と判断する判決を出した。2016年時点の試算では、約8万組の夫婦が税制上の不平等をこうむっていた。中には事実婚の同居カップルより年間数千フラン多く税金を支払ったケースもあった。8万組は、結婚、あるいは結婚と同等の権利を擁する正式なパートナーシップを結んだカップル全体の5%に当たる数字だ。
中道右派のキリスト教民主党、保守派の国民党は内閣の方針に支持を表明。一方、中道左派のスイス民主党、緑の党はこの「税の恩恵」が富裕層にしかメリットをもたらさず、政府の財政をおびやかすことになると批判している。
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